MCPサーバ - Sequential Thinking
概要
Sequential Thinking MCP Server は、Model Context Protocol (MCP) を通じてAIアシスタントに構造化された段階的思考プロセスを提供するサーバである。
Anthropicが開発したMCP公式リファレンス実装の一つであり、MITライセンスで公開されている。
複雑な問題を管理可能なステップに分解し、動的かつ反省的な問題解決を実現する。
理解が深まるにつれて思考を修正・精緻化したり、推論の代替経路へ分岐させたりすることが可能である。
主な特徴は以下の通りである。
- 複雑な問題を段階的なステップに分解
- 理解が深まるにつれて思考を修正・精緻化
- 推論の代替経路への分岐
- 必要な思考ステップ数の動的調整
- ソリューション仮説の生成と検証
提供するツールは sequential_thinking の1つのみであるが、思考番号・修正・分岐等のパラメータにより柔軟な推論プロセスを制御できる。
Claude Desktop、Claude Code、VS Code、Cursor、ChatGPT等の主要なMCPクライアントに対応している。
動作要件
前提条件
Sequential Thinking MCP Serverを使用するために必要な前提条件を以下に示す。
- Node.js v18以上
npxコマンドを使用してMCPサーバを実行するために必要
npxコマンド- Node.jsに同梱されている。
- MCPサーバを直接実行するために使用する。
インストール
npxを使用したインストール (推奨)
npx コマンドを使用する場合、インストール不要でSequential Thinking MCP Serverを直接実行できる。
以下のコマンドを実行して、MCPサーバを起動する。
npx -y @modelcontextprotocol/server-sequential-thinking
MCPクライアントの設定ファイルで指定する場合は、後述の各クライアント設定を参照すること。
Dockerを使用したインストール
Node.jsをインストールせずにDockerでMCPサーバを実行できる。
docker run --rm -i mcp/sequentialthinking
npmを使用したグローバルインストール
グローバルにインストールする場合は、以下のコマンドを実行する。
npm install -g @modelcontextprotocol/server-sequential-thinking
MCPクライアントの設定
設定ファイルの場所
各MCPクライアントの設定ファイルの場所は以下の通りである。
Claude Desktopの設定ファイルを以下に示す。
- Linux
- ~/.config/Claude/claude_desktop_config.json
- MacOS
- ~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json
- Windows
- %APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json
Claude Codeの設定ファイルを以下に示す。
- ローカルスコープ
- .mcp.json (プロジェクトルート) :
claude mcp addコマンドで生成される。
- .mcp.json (プロジェクトルート) :
- ユーザスコープ
- ~/.claude.json (ホームディレクトリ)
VS Codeの設定ファイルを以下に示す。
- .vscode/mcp.json (プロジェクトルート)
Cursorの設定ファイルを以下に示す。
- グローバル設定
- ~/.cursor/mcp.json
- プロジェクト設定
- .cursor/mcp.json
Claude Desktopの設定
claude_desktop_config.json ファイルに以下に示す内容を設定する。
{
"mcpServers": {
"sequential-thinking": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-sequential-thinking"]
}
}
}
設定ファイルを保存した後、Claude Desktopを再起動して設定を反映する。
Claude Codeの設定
Claude Codeでは、claude mcp add コマンドを実行してMCPサーバを追加できる。
claude mcp add sequential-thinking -- npx -y @modelcontextprotocol/server-sequential-thinking
プロジェクトの .mcp.json ファイルに設定を記述する場合は、以下に示す内容を記述する。
{
"mcpServers": {
"sequential-thinking": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-sequential-thinking"]
}
}
}
VS Code / Cursorの設定
.vscode/mcp.json または .cursor/mcp.json ファイルに以下に示す内容を設定する。
{
"mcpServers": {
"sequential-thinking": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-sequential-thinking"]
}
}
}
Dockerを使用した設定
Dockerを使用する場合は、設定ファイルに以下に示す内容を設定する。
{
"mcpServers": {
"sequential-thinking": {
"command": "docker",
"args": ["run", "--rm", "-i", "mcp/sequentialthinking"]
}
}
}
Windowsでの設定の注意点
Windowsでは、npx を使用するMCPサーバの場合、cmd /c ラッパーが必須である。
{
"mcpServers": {
"sequential-thinking": {
"command": "cmd",
"args": ["/c", "npx", "-y", "@modelcontextprotocol/server-sequential-thinking"]
}
}
}
環境変数
環境変数一覧
下表に、Sequential Thinking MCP Serverの動作をカスタマイズするための環境変数を示す。
| 環境変数 | 説明 |
|---|---|
DISABLE_THOUGHT_LOGGING |
思考プロセスのコンソールログ出力を制御する。true: ログ出力を無効化するfalse: ログ出力を有効化する (デフォルト)
|
Claude Desktopの設定ファイルで環境変数を指定する場合は、以下に示すように設定する。
{
"mcpServers": {
"sequential-thinking": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-sequential-thinking"],
"env": {
"DISABLE_THOUGHT_LOGGING": "true"
}
}
}
}
提供ツール
Sequential Thinking MCP Serverが提供するツールは sequential_thinking の1つのみである。
このツールは、必須パラメータとオプションパラメータを組み合わせて、柔軟な段階的思考プロセスを実現する。
必須パラメータ
下表に、sequential_thinking ツールの必須パラメータを示す。
| パラメータ | 型 | 説明 |
|---|---|---|
thought |
文字列 | 現在のステップにおける思考内容 |
nextThoughtNeeded |
真偽値 | さらなる思考ステップが必要かどうかを示す。true: 継続が必要false: 結論に到達
|
thoughtNumber |
整数 | 現在の思考番号 (1から開始) |
totalThoughts |
整数 | 問題解決に必要と推定される総思考数 後から修正することも可能 |
オプションパラメータ
下表に、sequential_thinking ツールのオプションパラメータを示す。
これらのパラメータにより、修正・分岐・延長といった高度な推論制御が可能になる。
| パラメータ | 型 | 説明 |
|---|---|---|
isRevision |
真偽値 | 前の思考ステップの修正かどうかを示す。 デフォルト値は false
|
revisesThought |
整数 | 修正対象の思考番号。isRevision が true の場合に使用する。
|
branchFromThought |
整数 | 分岐開始点の思考番号 代替経路を探索する場合に使用する。 |
branchId |
文字列 | 分岐を識別するための一意な識別子 |
needsMoreThoughts |
真偽値 | 推定思考数を超えて追加の思考が必要かどうかを示す。 |
使用例
Sequential Thinking MCP Serverのツールは、AIアシスタントが自然言語の指示を受けて自動的に呼び出す。
設計課題への適用
複雑な設計課題に段階的思考を適用する場合の操作例を以下に示す。
- マイクロサービスアーキテクチャを計画する場合
# プロンプト例 : マイクロサービスアーキテクチャを構築するための包括的な計画を、段階的に考えてください。
- システム設計のレビューを行う場合
# プロンプト例 : このシステム設計のセキュリティ、スケーラビリティ、保守性を段階的に評価してください。
技術選定・比較分析
技術の選定や比較分析を段階的に行う場合の操作例を以下に示す。
- クラウドプロバイダを比較する場合
# プロンプト例 : AWSとGCPのメリット・デメリットを段階的に比較分析してください。
デバッグ・問題解析
エラーや問題の原因を段階的に分析する場合の操作例を以下に示す。
- エラーの原因を特定して解決策を提案する場合
# プロンプト例 : このエラーの原因を段階的に分析して、解決策を提案してください。
トラブルシューティング
共通の問題
下表に、OS問わず発生する可能性がある問題と対処法を示す。
| 問題 | 対処法 |
|---|---|
| Node.jsがインストールされていない | Node.js v18以上をインストールする。 Node.js公式サイトからインストーラをダウンロードする。 |
| ツールが応答しない | メモリ不足でないか確認する。 初回実行時はパッケージのダウンロードが発生するため、ネットワーク接続を確認する。 |
| JSON設定の構文エラーが発生する | JSONバリデータで設定ファイルの構文を確認する。 全角括弧()が含まれていないかを確認する。 |
| ツールがクライアントに表示されない | MCPクライアントを完全に再起動する。 |
Windowsでの問題
下表に、Windows環境で発生する可能性がある問題と対処法を示す。
| 問題 | 対処法 |
|---|---|
| npxコマンドが見つからない | cmd /c ラッパーを設定ファイルに追加する。または、以下に示すコマンドを実行してグローバルインストールする。 npm install -g @modelcontextprotocol/server-sequential-thinking
|
| ENOENTエラーが発生する | 設定ファイルに環境変数 (PATH 等) を明示的に指定する。
|