Codexの設定 - コマンド
概要
OpenAI Codex CLIは、コマンド体系として以下の3つの仕組みを提供している。
- Slash Commands (スラッシュコマンド)
- セッション内で
/を入力して呼び出すインタラクティブコマンド群 - モデル切替、権限管理、会話操作等、約25種類以上の組み込みコマンドを持つ。
- セッション内で
- Custom Prompts (廃止予定)
- ~/.codex/prompts/ に配置するMarkdown + YAMLフロントマター形式の再利用可能プロンプト
- 現在は廃止予定であり、Skillsの使用が推奨される。
- Plugin Marketplace (プラグインマーケットプレイス)
- Skills、MCPサーバ、アプリ統合をバンドルした再利用可能ワークフロー
- 2026年3月26日にマーケットプレイスが開始され、Slack、Figma、Notion等を含む20以上のパートナー統合が提供されている。
Slash Commandsは、キーボード中心の操作を実現し、Tabキューイング機能により実行中のターンがある状態でも次のコマンドを予約できる。
Custom Promptsは、チーム共有や暗黙的な呼び出しに対応していないため廃止予定となっており、より高機能な Skills への移行が推奨されている。
Slash Commands
概要
セッションの入力欄で / を入力するとスラッシュポップアップが表示される。
ポップアップから目的のコマンドを選択するか、コマンド名の先頭数文字を入力してフィルタリングすることができる。
スラッシュコマンドはキーボード中心の操作を前提として設計されており、マウス操作なしにモデル切替、権限管理、会話の分岐等、多様な操作を実行できる。
主要な組み込みコマンド
下表に、組み込みスラッシュコマンドの一覧を示す。
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/model |
AIモデルを切り替える。 ポップアップからモデル (gpt-4.1、gpt-4.1-mini 等) を選択できる。 |
/fast |
Fast モードの切り替え/fast on、/fast off、/fast status の形式で指定できる。設定の永続化を確認するダイアログが表示される。 |
/personality |
応答の通信スタイルを変更する。 選択したスタイルはスレッド内のその後の応答に適用される。 モデルがパーソナリティ指示に対応していない場合は非表示になる。 |
/plan |
アクティブな会話をプランモードに切り替える。 インラインでプロンプトテキストを指定することも可能。 例: /plan このサービスの移行計画を提案して
|
/new |
新規会話を開始する。 |
/fork |
現在の会話を分岐させ、別スレッドとして継続する。 |
/side |
一時的なサイド会話を開始する。 |
/resume |
保存済み会話を再開する。 |
/permissions |
承認要件の表示・調整を行う。 |
/status |
現在のセッション情報を表示する。 アクティブモデル、承認ポリシー、書き込み可能なルート、現在のトークン使用量などを確認できる。 |
/sandbox-add-read-dir |
Windows上でサンドボックスに読み取りアクセスを付与する。 絶対パスの既存ディレクトリを指定する。 例: /sandbox-add-read-dir C:\absolute\directory\path
|
/copy |
最後に完了した出力をクリップボードにコピーする。 ターンが実行中の場合は最後に完了した出力を使用する。 [Ctrl] + [O]キーでも同様の操作が可能。 |
/diff |
Git差分を表示して変更を確認する。 |
/compact |
会話スレッドが長くなった場合に、以前のコンテキストを要約する。 |
/mention |
ファイルを添付してコンテキストに追加する。 |
/review |
作業ツリーのコードレビューを依頼する。 |
/mcp |
MCPサーバの診断、ツール一覧、リソース、リソーステンプレートを表示する。/mcp verbose で詳細な診断情報を取得できる。
|
/debug-config |
デバッグ設定情報を表示する。 |
/statusline |
TUIフッタのステータスライン表示を設定する。 |
/title |
現在のセッションにタイトルを設定する。 |
/keymap |
キーマップ設定を表示・変更する。 |
/clear |
ターミナルとトランスクリプトをクリアして、同じ CLI セッション内で新しいチャットを開始する。 |
/apps |
アプリコネクタを挿入して外部サービスとの統合を設定する。 |
/plugins |
プラグインブラウザを起動する。 マーケットプレイスタブの切替、インストール、アンインストール、有効状態の切替が可能。 |
/ps |
実行中のプロセスを表示する。 |
/stop |
現在実行中のタスクを停止する。 |
/logout |
セッションからサインアウトする。 |
/quit または /exit |
インタラクティブセッションを終了する。 [Ctrl] + [C]キーでも終了できる。 |
Tabキューイング
タスクの実行中に次のコマンドを予約できるのが Tabキューイング機能である。
使用方法は以下の通りである。
- 現在のターンが実行中に、入力欄にスラッシュコマンドを入力する。
- [Tab]キーを押下して、コマンドをキューに登録する。
- アクティブなターンが完了した後、キューされたコマンドが自動的にパースされて実行される。
キューされたコマンドは現在のターン完了後にパースされるため、コマンドメニューやエラーはターン完了後に表示される。
Slash Completion
スラッシュコマンドの入力時に自動補完機能が動作する。
- 文字入力によるフィルタリング
/の後に文字を入力すると、該当する名前で始まるコマンドが候補として絞り込まれる。- 例えば、
/moと入力すると/modelが候補として表示される。
- [Tab]キーによる補完
- 候補が1件に絞り込まれた場合、[Tab]キーでコマンド名を補完できる。
- ポップアップメニュー
- 利用可能な全コマンドがポップアップ形式で一覧表示される。
- 上下矢印キーで選択し、[Enter]キーで確定する。
Custom Prompts (廃止予定)
Custom Promptsは廃止予定の機能であり、代わりにSkillsの使用が推奨される。
Skillsの詳細については、Codexの設定 - SKILLを参照すること。
概要
Custom Promptsは、MarkdownファイルにYAMLフロントマターを付加して定義する再利用可能プロンプトである。
スラッシュコマンドとして呼び出すことができ、引数を渡して動的なプロンプトを生成することも可能である。
配置場所とファイル形式
プロンプトファイルの配置場所を以下に示す。
- 配置ディレクトリ
- ~/.codex/prompts/
- トップレベルのファイルのみがスキャンされ、サブディレクトリは無視される。
- ファイル形式
- Markdownファイル (.md)
- ディレクトリの作成方法
mkdir -p ~/.codex/prompts
- ファイル構造の例
~/.codex/ └── prompts/ ├── draftpr.md # /prompts:draftpr コマンドとして呼び出せる ├── review.md # /prompts:review コマンドとして呼び出せる └── translate.md # /prompts:translate コマンドとして呼び出せる
YAMLフロントマターと引数
各プロンプトファイルの先頭には、YAMLメタデータを記述する。
---
description: コマンドの説明文 (スラッシュコマンドメニューに表示される)
argument-hint: [FILES=<paths>] [PR_TITLE="<title>"]
---
下表に、引数の種類を示す。
| 種別 | 説明 |
|---|---|
| ポジショナル引数 | $1 から $9 で空白区切りの引数にアクセスできる。$ARGUMENTS ですべての引数をまとめて参照できる。
|
| 名前付き引数 | 大文字の変数名 (例: $FILE、$PR_TITLE) を使用する。呼び出し時に KEY=value 形式で渡す。スペースを含む場合は引用符で囲む。
|
| リテラルのドル記号 | $$ と記述することでドル記号そのものを出力できる。
|
プロンプトファイルのサンプルを以下に示す。
---
description: プルリクエストのドラフトを作成する
argument-hint: FILES=<paths> PR_TITLE="<title>"
---
以下のファイルに基づいて、プルリクエストのドラフトを作成してください。
タイトル: $PR_TITLE
対象ファイル:
$FILES
呼び出し方法
呼び出す場合は、スラッシュコマンドメニューで /prompts: と入力して一覧を表示するか、/prompts:プロンプト名 の形式で直接指定する。
呼び出しの例を以下に示す。
# 引数なしで呼び出す場合 /prompts:review # 引数を渡して呼び出す場合 /prompts:draftpr FILES="src/pages/index.astro" PR_TITLE="Add animation" # ポジショナル引数を渡す場合 /prompts:translate 日本語 This is a sample text.
制限と廃止理由
Custom Promptsの制限事項を以下に示す。
- 手動呼び出しのみ
- 明示的に呼び出す必要があり、タスクの内容から自動的に選択される暗黙的な呼び出しには対応していない。
- ローカル保存のみ
- ~/.codex/prompts/ に保存されるため、リポジトリを通じたチーム共有ができない。
- チーム共有不可
- ローカルディレクトリへの保存のみのため、チームメンバーとの共有には別途の手段が必要となる。
これらの制限により、Custom Promptsは廃止予定となっており、リポジトリへの配置やチーム共有、暗黙的な呼び出しに対応したSkillsへの移行が推奨されている。
Skillsの詳細については、Codexの設定 - SKILLを参照すること。
Plugin Marketplace
プラグインとは
プラグインは Skills、MCPサーバ、アプリ統合 (App integrations)、Hooks をバンドルした再利用可能なワークフローである。
下表に、プラグインに含められる要素を示す。
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| Skills | 特定の種類の作業のための再利用可能な指示 |
| MCPサーバ | Codexが追加のツールやリソースにアクセスするためのサービス |
| App integrations | GitHub、Slack、Google Drive等の外部ツールとの接続 |
| Hooks | イベントドリブンなワークフローの自動化 |
2026年3月26日にプラグインマーケットプレイスが開始された。
ローンチ時点で Slack、Figma、Notion、Sentry、Gmail、Google Driveを含む20以上のパートナー統合が提供されており、Codexのデスクトップアプリ、CLI、VS Code 拡張機能を横断して利用できる。
/plugins コマンド
/plugins コマンドを実行するとプラグインブラウザが起動する。
プラグインブラウザでの操作方法を以下に示す。
- マーケットプレイスタブの切替
- マーケットプレイスタブを選択することにより、異なるソースのプラグイン一覧を切り替えて表示できる。
- プラグインの詳細確認
- プラグインを選択するとインストール前に詳細情報を確認できる。
- インストール / アンインストール
- マーケットプレイスのエントリに対してインストールまたはアンインストールを実行できる。
- [Space]キーによる有効状態の切替
- インストール済みのプラグイン上で[Space]キーを押下すると有効 / 無効の状態を切り替えられる。
- 各プラグインの有効状態は、~/.codex/config.toml に保存される。
マーケットプレイス ソース
プラグインマーケットプレイスは様々なソースからインストールできる。
| ソース種別 | 形式 | 例 |
|---|---|---|
| GitHubショートハンド | owner/repoまたは owner/repo@ref |
codex plugin marketplace add myorg/codex-plugins |
| Git URL (HTTP/HTTPS) | https://...または http://... |
codex plugin marketplace add https://github.com/example/plugins.git |
| Git URL (SSH) | git@...または ssh://... |
codex plugin marketplace add git@github.com:example/plugins.git |
| ローカルパス | ./path/to/dirまたは 絶対パス |
codex plugin marketplace add ./local-marketplace-root |
Gitソースで使用できるオプションを以下に示す。
--refオプション- Git ref (ブランチ名、タグ名、コミット SHA 等) を指定してバージョンを固定する。
- 例:
codex plugin marketplace add myorg/plugins --ref v1.2.0
--sparseオプション- Gitソース専用のオプション
- スパースチェックアウトで特定のサブディレクトリのみを取得する。
- 繰り返し指定することで複数のパスを指定できる。
- 例:
codex plugin marketplace add myorg/plugins --sparse .agents/plugins
マーケットプレイスの追加例を以下に示す。
# GitHubショートハンドで追加 codex plugin marketplace add myorg/codex-plugins # 特定のrefを指定して追加 codex plugin marketplace add myorg/codex-plugins --ref main # スパースチェックアウトで追加 codex plugin marketplace add myorg/codex-plugins --sparse .agents/plugins # ローカルディレクトリから追加 codex plugin marketplace add ./local-marketplace-root
プラグイン管理コマンド
下表に、プラグインの管理に使用するコマンドを示す。
| コマンド | 説明 |
|---|---|
codex plugins list |
インストール済みプラグインの一覧を表示する。 |
codex plugins install <plugin-id> |
指定したプラグインをインストールする。 |
codex plugins remove <plugin-id> |
指定したプラグインをアンインストールする。 |
codex plugins enable <plugin-id> |
指定したプラグインを有効化する。 |
codex plugins disable <plugin-id> |
指定したプラグインを無効化する。 |
codex plugin marketplace add <source> |
プラグインマーケットプレイスを追加する。 |
インストール状態
下表に、プラグインのインストール状態を示す。
| 状態 | 説明 |
|---|---|
| installed | プラグインがインストールされており、有効な状態 ワークフロー内で使用できる。 |
| discoverable | マーケットプレイス経由で発見可能だが、まだインストールされていない状態 Webブラウザで詳細を確認しインストールできる。 |
| installed (disabled) | インストールされているが無効化された状態 [Space]キーで再度有効化できる。 |
プラグインの作成
ディレクトリ構造
プラグインのディレクトリ構造を以下に示す。
my-plugin/ ├── .codex-plugin/ │ └── plugin.json # 必須: プラグインマニフェスト ├── skills/ # オプション: パッケージ化されたスキル │ └── SKILL.md ├── .app.json # オプション: アプリ・コネクタ設定 ├── .mcp.json # オプション: MCPサーバ設定 ├── hooks/ │ └── hooks.json # オプション: フック設定 └── assets/ # オプション: アイコン、ロゴ、スクリーンショット
.codex-plugin/ ディレクトリには plugin.json のみを配置する。
skills/、assets/、.mcp.json、.app.json はプラグインルートに配置する。
plugin.json マニフェスト
プラグインマニフェストのJSONサンプルを以下に示す。
{
"name": "my-first-plugin",
"version": "1.0.0",
"description": "Reusable greeting workflow",
"author": "Your Name",
"license": "MIT",
"repository": "https://github.com/yourname/my-first-plugin",
"skills": "./skills/",
"mcpServers": {},
"apps": [],
"hooks": "./hooks/hooks.json",
"interface": {
"displayName": "My First Plugin",
"category": "Productivity",
"capabilities": ["skills"],
"privacyPolicyUrl": "https://example.com/privacy"
}
}
マニフェストが担う3つの役割を以下に示す。
- プラグインの識別
- バンドルされたコンポーネント (Skills、アプリ、MCPサーバ) へのポインタ
- インストール画面のメタデータ (説明、アイコン、法的リンク等) の提供
バンドル可能な要素
1つのプラグインにバンドルできる要素を以下に示す。
| 要素 | 設定ファイル | 説明 |
|---|---|---|
| Skills | skills/SKILL.md | 特定の種類の作業に対応する再利用可能な指示をバンドルできる。 |
| MCPサーバ | .mcp.json | プラグインのインストールと同時に MCPサーバが有効化される。 |
| App integrations | .app.json | GitHub、Slack、Google Drive等の外部ツールとの統合をバンドルできる。 |
| Hooks | hooks/hooks.json | プラグインのインストールと同時にフックが登録される。 |
マーケットプレイス メタデータ
マーケットプレイスカタログは、JSON形式で管理される。
配置場所を以下に示す。
- プロジェクトスコープ (チーム共有用)
- <repo>/.agents/plugins/marketplace.json
- ユーザスコープ
- ~/.agents/plugins/marketplace.json
マーケットプレイスJSONの構造サンプルを以下に示す。
{
"name": "local-example-plugins",
"interface": {
"displayName": "Local Example Plugins"
},
"plugins": [
{
"name": "my-plugin",
"source": {
"source": "local",
"path": "./plugins/my-plugin"
},
"policy": {
"installation": "AVAILABLE",
"authentication": "ON_INSTALL"
},
"category": "Productivity"
}
]
}
公開手順
プラグインを公開する手順を以下に示す。
- .codex-plugin/plugin.json マニフェストを作成する。
- Skills、MCPサーバ、App integrations、Hooksを必要に応じてバンドルする。
@plugin-creatorスキル (組み込み) を使用してスキャフォールディングとローカルマーケットプレイスへの登録を行う。- ローカルで動作確認を行った後、リポジトリに
.agents/plugins/marketplace.jsonを追加してチームと共有する。
管理者ガバナンス
管理者はJSONポリシーファイルを使用して、チームや組織全体のプラグイン可用性を制御できる。
| 状態 | 説明 |
|---|---|
INSTALLED_BY_DEFAULT |
全ユーザに対してプリインストールされる。 ユーザが無効化することも可能。 |
AVAILABLE |
ユーザがマーケットプレイスからインストールできる状態 デフォルトではインストールされない。 |
NOT_AVAILABLE |
ユーザからは非表示となり、インストール不可となる。 |
認証タイミングの制御として、プラグインの認証フィールドにより、ITチームはいつサードパーティサービスとの認証情報の交換が行われるかを制御できる。
ON_INSTALL- プラグインのインストール時に認証を実行する。
ON_FIRST_USE- プラグインを初めて使用する時に認証を実行する。
管理者はさらに、requirements.toml ファイルを使用して、ユーザが変更できないセキュリティ設定を強制することができる。
承認ポリシー、サンドボックスモード、承認レビュー設定等が管理対象となる。
Slash Commands と Pluginの関係
下表に、スラッシュコマンド、Custom Prompts、プラグインの使い分けを示す。
| 特徴 | Slash Commands | Custom Prompts | Plugin |
|---|---|---|---|
| 用途 | セッション操作、モデル切替、会話管理等 | 個人用の再利用可能プロンプト | Skills + MCP + アプリ統合のバンドル |
| チーム共有 | 不可 (ローカル保存) | 可 (リポジトリ配置 / マーケットプレイス) | |
| 暗黙的な呼び出し | なし | 不可 | Skills経由で可 |
| 廃止予定 | なし | 廃止予定 | 現行の推奨方式 |
| 適用範囲 | セッション操作 | 個人ワークフロー | チーム / 組織共有ワークフロー |
移行ガイドラインを以下に示す。
- スタンドアロンの組み込みコマンド操作
/model、/plan、/compact等の組み込みスラッシュコマンドをそのまま使用する。
- 個人の再利用可能なプロンプトを作成する場合
- Custom PromptsからSkillsへの移行を推奨する。
- Skillsはリポジトリに配置することでチーム共有が可能であり、暗黙的な呼び出しにも対応している。
- チーム共有が必要なワークフローを作成する場合
- プラグインとして作成し、チームのリポジトリに
.agents/plugins/marketplace.jsonを追加して共有する。
- プラグインとして作成し、チームのリポジトリに
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