インストール - Codex

提供: MochiuWiki : SUSE, EC, PCB

概要

OpenAI Codex CLIは、OpenAIが提供するAI駆動のコマンドラインエージェントであり、ターミナルから自然言語でコードの作成・編集・実行を指示できるツールである。
Rust言語で実装されており (コードベースの96.2[%])、ローカルマシン上で動作することが特徴である。

Apache-2.0ライセンスのもとでオープンソースとして公開されており、2026年4月30日時点の最新バージョンは0.128.0である。
GitHub上でのスター数は80,100以上に達している。

主な特徴として、以下が挙げられる。

Codexの特徴
特徴 説明
ローカル動作 クラウドサーバに依存せず、ローカルマシン上でエージェントが動作する。
Rust実装による高速起動 Rustで実装されているため、起動とレスポンスが高速である。
承認モードによるサンドボックス制御 ファイル操作やコマンド実行の許可範囲を3段階で設定できる。
ChatGPTサブスクリプションとAPIキーの両方に対応 ChatGPT PlusやProのサブスクリプションを直接使用でき、APIキーを持つ開発者にも対応している。
IDE Extensionとの設定共有 VS Code等の拡張機能とも認証・設定を共有できる。


対応OSは、Linux、MacOS、Windows (WSL2経由) である。


料金プラン

OpenAI Codex CLIは、ChatGPTのサブスクリプションまたはOpenAI APIキーを使用して利用する。
2026年4月2日より、Plus / Pro / BusinessプランはトークンベースのAI Credit課金方式に移行している。

料金プラン比較
プラン 月額料金 Codexアクセス 主な特徴
ChatGPT Free $0/月 限定的なアクセス 基本的なCodex機能を試用可能
ChatGPT Go $8/月 軽量タスク向け レート制限が標準の2倍
ChatGPT Plus $20/月 約15~80メッセージ/5時間 (GPT-5.5使用時) 個人利用に最適
ChatGPT Pro $100~$200/月 約100~400メッセージ/5時間 高頻度利用・上級ユーザ向け
ChatGPT Business 従量課金 チーム向け 組織管理・ポリシー設定対応
ChatGPT Enterprise / Edu カスタム料金 カスタム 大規模組織・教育機関向け
APIキー (OpenAI API) 従量課金 GPT-5.5を除く全モデル 開発者・自動化向け



使用できるAIモデル

OpenAI Codex CLIでは、複数のAIモデルを選択して使用できる。

使用可能なAIモデル一覧
モデル名 特徴 推奨用途 APIキー認証での利用
GPT-5.5 最新フロンティアモデル・最高性能 複雑なコーディングタスク全般 不可 (ChatGPTサインイン専用)
GPT-5.4 旗艦モデル・強化された推論能力 高度な設計・リファクタリング 可能
GPT-5.4-mini 高速・効率的 Subagent・軽量タスク向け 可能
GPT-5.3-Codex 従来のコーディング特化モデル コード補完・変換 可能


デフォルトモデルはGPT-5.5であり、ChatGPTサインイン認証を使用する場合にのみ利用できる。
APIキー認証では、GPT-5.4以下のモデルを使用する。

用途別推奨モデル

用途別推奨モデル
用途 推奨モデル
最高品質のコーディング支援が必要な場合 GPT-5.5 (ChatGPTサインイン認証が必要)
APIキー認証で高性能なモデルを使用する場合 GPT-5.4
Subagentやバックグラウンドタスクを実行する場合 GPT-5.4-mini
コード変換や補完に特化した処理が必要な場合 GPT-5.3-Codex



前提条件

OpenAI Codex CLIを使用するためには、以下に示す前提条件を満たす必要がある。

必須要件

必須要件
要件 詳細
Node.js バージョン18以上が必要

https://nodejs.org から入手可能
Git バージョン管理ツール
チェックポイント機能の使用に必要
OpenAIアカウント ChatGPTサブスクリプション または OpenAI APIキーのいずれかが必要
https://platform.openai.com から取得可能


対応OS一覧

対応OS一覧
OS バージョン インストール方法 備考
Linux 主要なディストリビューション npm、GitHub Release ネイティブ動作
MacOS MacOS 12 Monterey以降を推奨 npm、Homebrew ネイティブ動作
Windows Windows 10 / 11 WSL2経由でnpm WSL2が必須。WSL1は非対応 (v0.115以降)


Windowsの場合は、WSL2 (Windows Subsystem for Linux 2) を使用してLinux環境でインストールすること。
WSL1はv0.115以降でサポートされていないため、必ずWSL2を使用する。


インストール方法

npm経由でのインストール

全てのプラットフォームで使用できる最も一般的なインストール方法である。

npm install -g @openai/codex


インストール後、以下に示すコマンドを実行して、バージョンを確認する。

codex --version


Homebrew経由でのインストール

MacOSでHomebrewを使用している場合は、以下のコマンドでインストールできる。

brew install --cask codex


GitHub Releaseから直接ダウンロード

npmやHomebrewを使用しない場合は、GitHub Releaseからバイナリを直接ダウンロードできる。

  1. GitHubリポジトリのReleasesページにアクセスする。
    https://github.com/openai/codex/releases
  2. 使用しているOSに対応したバイナリをダウンロードする。
  3. ダウンロードしたバイナリに実行権限を付与して、パスの通った場所に配置する。
     # Linux / MacOSでの例
     
     chmod +x codex
     sudo mv codex /usr/local/bin/
    


ソースコードからのインストール

Rustツールチェインを使用して、ソースコードからCodexをビルドすることもできる。
ビルド済みバイナリが提供されていない環境や、最新の開発版を使用したい場合に推奨される方法である。

前提条件 (ソースビルド)

ソースコードからビルドするためには、以下に示すツールが必要である。

ソースビルドの前提条件
ツール 説明
Git リポジトリのクローンに必要
rustup Rustツールチェインの管理ツール
https://rustup.rs から入手可能
Cargo Rustのパッケージマネージャ (rustupに同梱)
C/C++ビルドツール Linuxでは gcc または clang、MacOSでは Xcode Command Line Tools、WindowsではVisual Studio Build Tools


Codexのビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。

# RHEL
sudo dnf install git gcc gcc-c++ make pkgconf-pkg-config openssl-devel libcap-devel

# SUSE
sudo zypper install git gcc gcc-c++ make pkg-config openssl-devel libcap-devel


rustupが未インストールの場合は、以下に示すコマンドでインストールする。

curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh


インストール後、シェルを再起動するか、以下に示すコマンドで環境変数を読み込む。

 source "$HOME/.cargo/env"


リポジトリのクローン

GitHubからCodexのソースコードをクローンして、Cargoワークスペースのルートディレクトリへ移動する。

git clone https://github.com/openai/codex.git
cd codex/codex-rs


Rustツールチェインの確認

ワークスペースのルートディレクトリには rust-toolchain.toml が配置されており、必要なRustバージョンが指定されている。
rustupが自動的に該当バージョンを取得するため、以下に示すコマンドで使用中のツールチェインを確認する。

rustup show active-toolchain


Rustコンポーネントの追加

コードフォーマッタとLinterのコンポーネントを追加する。

rustup component add rustfmt
rustup component add clippy


ビルドヘルパーのインストール

ワークスペースの justfile が使用するヘルパーコマンドをインストールする。

cargo install --locked just


テストランナーは任意であるが、テストの実行には推奨される。

cargo install --locked cargo-nextest


ワークスペースのビルド

リリースモードでワークスペース全体をビルドするには、以下に示すコマンドを実行する。

cargo build --release


codexバイナリのみを最小構成でビルドする場合は、以下に示すコマンドを使用する。
こちらの方が高速にビルドできる。

cargo build --release -p codex-cli --bin codex


ビルド成果物は以下のパスに出力される。

codex-rust-<バージョン>/codex-rs/target/release/codex


TUIの起動確認

ビルドが正常に完了した後、サンプルプロンプトを使用してTUI (Text User Interface) を起動して動作を確認する。

cargo run --release --bin codex -- "explain this codebase to me"


ビルド成果物のインストール

ビルドしたバイナリをパスの通った場所に配置することにより、システム全体から codex コマンドを使用できる。

sudo cp target/release/codex /usr/local/bin/
sudo chmod +x /usr/local/bin/codex


インストール後、以下に示すコマンドでバージョンを確認する。

codex --version


開発用ヘルパーコマンド

ソースコードを変更した後は、ワークスペースのルートにある justfile のヘルパーコマンドを使用する。
これらのコマンドはデフォルトで codex-rs/ ディレクトリを対象とする。

コードフォーマットを実行する場合は、以下に示すコマンドを使用する。

just fmt


特定のクレートに対してLint修正を実行する場合は、以下に示すコマンドを使用する。

just fix -p <変更したクレート名>


Windowsでの注意事項 (WSL2推奨、WSL1非対応)

WindowsでOpenAI Codex CLIを使用するには、WSL2環境が必要である。

WSL1はv0.115以降でサポートされていないため、WSL2への移行が必要である。

WSL2のセットアップ

管理者権限のPowerShellを起動して、以下に示すコマンドを実行し、WSL2をインストールする。

wsl --install


既にWSLを使用している場合は、バージョンを確認する。

wsl --list --verbose


WSL1のディストリビューションをWSL2に変換するには、以下に示すコマンドを実行する。

wsl --set-version <ディストリビューション名> 2


WSL2環境内でNode.js 18以上をインストールした後、npmでCodexをインストールする。

npm install -g @openai/codex


インストール確認

インストールが正常に完了したことを確認するには、以下のコマンドを実行する。

codex --version
codex --help


バージョン番号が表示されればインストール成功である。


認証方法

OpenAI Codex CLIは、以下に示す2種類の認証方法をサポートしている。

ChatGPTサインイン (推奨)

ChatGPT PlusやProのサブスクリプションを持つユーザには、ChatGPTサインインが推奨される。
この方法を使用すると、GPT-5.5 (デフォルトモデル) を含む全モデルにアクセスできる。

  1. codex コマンドを実行する。
  2. 認証プロンプトが表示されたら、[Sign in with ChatGPT]を選択する。
  3. Webブラウザが開き、OpenAIの認証ページが表示される。
  4. ChatGPTアカウントでサインインして、Codexへのアクセスを許可する。
  5. 認証が完了すると、ターミナルに戻り、Codexが使用可能になる。


APIキー認証

OpenAI APIキーを使用して認証することもできる。
この方法では、GPT-5.5を除くモデルにアクセスできる。

 export OPENAI_API_KEY="sk-..."
 codex


または、初回起動時の認証プロンプトでAPIキーを入力することもできる。

認証情報の保存場所

認証情報は以下のファイルに保存される。

  • ~/.codex/auth.json
    ChatGPTサインインまたはAPIキーの認証情報が保存される。
    CODEX_HOME 環境変数を設定することで、保存先ディレクトリを変更できる。
     # 保存先ディレクトリを変更する例
     
     export CODEX_HOME="/path/to/custom/dir"
    


ヘッドレス環境での認証

GUIブラウザを使用できないヘッドレス環境では、APIキー認証を使用する。

 export OPENAI_API_KEY="sk-..."
 codex --no-browser



初回起動と基本コマンド

Codexの起動

以下に示すコマンドを実行して、Codexをインタラクティブモードで起動する。

codex


起動後、プロンプトが表示され、自然言語でタスクを入力できる。

ヘルプの表示

利用可能なオプションとコマンドを確認するには、以下に示すコマンドを実行する。

codex --help


基本的なプロンプト例

Codexに対して、以下のような自然言語でタスクを指示できる。

# 現在のディレクトリにある全Pythonファイルをリストアップして
codex "現在のディレクトリにある全Pythonファイルをリストアップして"

# バグを探して修正して
codex "このコードのバグを探して修正して"

# テストを書いて
codex "main.pyに対するユニットテストを書いて"


また、特定のファイルに対して直接指示することもできる。

codex "app.pyのエラーハンドリングを改善して"



設定ファイル

OpenAI Codex CLIの設定は、~/.codex/config.toml ファイルで管理する。

環境変数 CODEX_HOME を設定することで、設定ファイルの保存先ディレクトリを変更できる。

設定の優先順位は以下の通りである。

  1. コマンドラインオプション (最優先)
  2. 環境変数
  3. ~/.codex/config.toml (設定ファイル)
  4. デフォルト値 (最低優先)


最小限の設定例を以下に示す。

 # ~/.codex/config.toml
 
 [model]
 default = "gpt-5.4"
 
 [approval]
 mode = "workspace-write"


設定ファイルの詳細な設定項目については、Codexの設定 - 機能 を参照すること。


モデルの切り替え方法

使用するAIモデルは、以下に示す方法により、切り替えることができる。

設定ファイルでデフォルトモデルを指定

~/.codex/config.toml[model] セクションにデフォルトモデルを指定する。

 [model]
 default = "gpt-5.4"


コマンドラインオプションで指定

--model オプションを使用して、セッションごとにモデルを指定できる。

codex --model gpt-5.4-mini "軽量タスクを実行して"


セッション中にモデルを切り替え

Codexの対話セッション中に /model コマンドを使用してモデルを切り替えることができる。

/model gpt-5.4



セッション管理

OpenAI Codex CLIのセッション情報は、~/.codex/sessions/ ディレクトリに保存される。

前回のセッションを再開

直前のセッションを再開するには、以下に示すコマンドを実行する。

codex resume --last


セッションIDを指定して再開

特定のセッションIDを指定して再開することもできる。

codex resume <セッションID>


セッション中のコマンドを以下に示す。

  • /resume
    セッション内から別のセッションを再開する。
  • /fork
    現在のセッションを分岐させて、独立した新しいセッションを作成する。


セッションファイルは ~/.codex/sessions/ に保存される。
古いセッションを削除する場合は、このディレクトリのファイルを手動で削除する。


IDE Extension

OpenAI Codex CLIは、IDE拡張機能と設定および認証を共有できる。

対応IDE

  • VS Code
    VS Code Marketplaceから公式のCodex拡張機能をインストールできる。
    VS Code Marketplace
  • JetBrains IDE
    JetBrains Marketplaceから公式のCodex拡張機能をインストールできる。


CLIとの設定共有

IDE拡張機能をインストールすると、CLIと以下の設定・情報を共有する。

  • 認証情報
    ~/.codex/auth.json
  • デフォルトモデルの設定
  • 承認モードの設定


CLIとIDEの両方を使用する場合、1度認証すれば両方の環境でシームレスに使用できる。


アップデート

codex updateコマンドを使用したアップデート

Codex自体のアップデートコマンドが提供されている場合は、以下に示すコマンドを実行する。

codex update


npmで再インストールしてアップデート

npmでインストールした場合は、同じコマンドで上書きインストールすることでアップデートできる。

npm install -g @openai/codex


バージョン確認

現在インストールされているバージョンを確認するには、以下に示すコマンドを実行する。

codex --version


最新のバージョン情報はGitHubのReleasesページで確認できる。



承認モードとサンドボックス

OpenAI Codex CLIには、ファイル操作やコマンド実行の許可範囲を制御する承認モードが用意されている。

承認モードは、以下に示す3段階から選択できる。

  • read-only
    ファイルの読み取りのみ許可する。
    書き込みや実行は全て確認プロンプトが表示される。
  • workspace-write
    ワークスペース内のファイル操作を許可する。
    デフォルトの推奨モードである。
  • danger-full-access
    全ての操作を許可する。
    確認プロンプトが表示されない。
    使用には十分な注意が必要である。


承認モードの詳細な設定方法およびサンドボックスの動作については、Codexの設定 - 機能を参照すること。


トラブルシューティング

command not foundエラー

codex コマンドが見つからない場合は、npmのグローバルインストール先がPATHに含まれているか確認する。

 # npmのグローバルインストール先を確認する
 npm config get prefix
 
 # 表示されたパスの/binをPATHに追加する (例)
 export PATH="$HOME/.npm-global/bin:$PATH"


設定を永続化するには、シェルの設定ファイル (~/.bashrc~/.zshrc 等) に上記のexport行を追記する。

認証ループが発生する場合

認証画面が繰り返し表示される場合は、認証情報ファイルを削除して再認証を試みる。

rm ~/.codex/auth.json
codex


それでも解決しない場合は、ブラウザのキャッシュとCookieをクリアしてから再度試みる。

WSL2 Landlockエラー

WSL2環境でLandlockに関するエラーが発生する場合は、Linuxカーネルのバージョンが古い可能性がある。

# カーネルバージョンを確認する
uname -r


Landlockはカーネル5.13以降で完全にサポートされている。
WSL2のカーネルを更新するには、PowerShellで以下に示すコマンドを実行する。

wsl --update


サンドボックスエラー

サンドボックスに関するエラーが発生した場合は、承認モードを確認する。

# 承認モードを指定して起動する
codex --approval-mode workspace-write


サンドボックスを無効化する必要がある場合は、danger-full-access モードを使用するが、セキュリティリスクに十分注意すること。


注意事項

OpenAI Codex CLIを使用する場合、以下に示す事柄に注意する必要がある。

生成コードの検証

Codexが生成したソースコードは、必ず検証してから使用する。

  • コードの動作を確認する。
  • セキュリティ上の問題がないか確認する。
  • ライセンス上の問題がないか確認する。
  • コーディング規約に準拠しているか確認する。


機密情報の取り扱い

Codexに機密情報を送信しないように注意する。

  • APIキー、パスワード等の機密情報をプロンプトに含めない。
  • 機密情報を含むファイルへのアクセスには read-only 承認モードを使用する。
  • .gitignore ファイルで機密情報を含むファイルを除外する。


Git checkpointの推奨

Codexによるファイル変更を安全に管理するために、作業前にGitでチェックポイントを作成することを推奨する。

# 作業前にコミットしてチェックポイントを作成する

git add -A
git commit -m "Codex作業前のチェックポイント"


Codexによる変更が意図しない結果になった場合でも、Gitを使用して以前の状態に戻すことができる。