応用数学 - 1階常微分方程式

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2022年11月15日 (火) 00:14時点におけるWiki (トーク | 投稿記録)による版 (1階線形微分方程式の例題)

概要

1階常微分方程式としては、以下のようなものがある。
これらは方程式の形により分類される。

  • 変数分離形微分方程式
  • 同次形微分方程式
  • 1階線形微分方程式
  • ベルヌーイ形微分方程式
  • 完全微分方程式



dydxの扱い

以下の命題は、dydx は、形式的に分数のように扱うことができることを示している。

命題1.
(g(y)dydx)dx=g(y)dy

証明.
y=ϕ(x) とおいて、両辺をxで微分すると、dydx=dϕdx
置換積分の公式より、g(y)dy=g(ϕ(x))dϕdxdx
y=ϕ(x) より、
g(ϕ(x))dϕdxdx=(g(y)dydx)dx


命題2.
g(y)dy=f(x)dxg(y)dy=f(x)dx

証明.
g(y)dy=f(x)dx の両辺をdxで除算して、本来の記号 dydx に戻すと次式となる。
g(y)dydx=f(x)

両辺をxで積分すると次式となる。
g(y)(dydx)dx=f(x)dx

左辺に対して命題1を適用すると次式となる。
g(y)dy=f(x)dx


命題3.
f(x)dx+g(y)dy=0f(x)dx+g(y)dy=C( C : 任 意 の 定 数 )

証明.
f(x)dx+g(y)dy=0 の両辺をdxで除算して、本来の記号dydx に戻すと次式となる。
f(x)+g(y)(dydx)=0

この両辺をxで積分すると次式となる。
f(x)+g(y)(dydx)dx=0f(x)dx+g(y)(dydx)dx=C

左辺第2項に命題1を適用して整理する。
f(x)dx+g(y)dy=C( C : 任 意 の 定 数 )



変数分離形微分方程式

f(x)をxのみの関数、g(y)をyのみの関数とする時、以下に示す形になる微分方程式を変数分離形という。
g(y)dydx=f(x)

変数分離系の方程式は、以下のように記述することもある。

  • g(y)dy=f(x)dx
  • f(x)dxg(y)dy=0
  • dydx=f(x)h(y)h(y)=1g(y)


  • 変数分離形の例
    dydx=2xy
    dydx=(x2+1)(y+1y)

  • 変数分離形ではない例
    dydx=2x+3y
    dydx=xy


例題1. 
微分方程式の一般解を求めよ。
dydx=x

解答.
dy=xdxdy=xdxy=12x2+C( C : 任 意 の 定 数 )


例題2.
微分方程式の一般解を求めよ。
dydx=y

解答.
1ydy=dx1ydy=dxln|y|=x+C( C : 任 意 の 定 数 )|y|=ex+Cy=±eCexy=Cex( C : 任 意 の 定 数 )


例題3.
微分方程式の一般解を求めよ。
ydy=xdx

解答.
ydy=xdx12y2=12x2+C( C : 任 意 の 定 数 )y2=x2+2Cy2=x2+C( C : 任 意 の 定 数 )


例題4.
微分方程式の一般解を求めよ。
xdx(1+x2)dy=0

解答.
dy=x1+x2 とおく。
dy=x1+x2dxy=122x1+x2y=12ln(1+x2)+C( C : 任 意 の 定 数 )



同次形微分方程式

dydxyx のみの関数になっている微分方程式を、同次形微分方程式という。
dydx=f(yx)

同次形微分方程式は、変数変換することにより、変数分離形として記述できる。

変数分離形として記述できることの説明

u=yx とおけば、y=ux より、積の微分公式を使用して、dydx=dudxx+u となる。
これを、dydx=f(yx) に代入すると、u+dudxx=f(u) となる。
したがって、dudx=f(u)ux

これは未知関数uの変数分離形である。


同次形微分方程式の例

  • dydx=yx+1
  • dydx=2(yx)3+yx
  • dydx=(x+y)(xy) 分母分子をxで除算すると、dydx=1+yx1yx と記述できるため、同次形微分方程式である。


例題.
微分方程式の一般解を求めよ。
dydx=yx+1

解答.
yx=u とおくと、y=ux
積の微分公式より、dydx=dudxx+u

これを微分方程式に代入すると、u+dudxx=u+1 となり、各項を計算すると、dudxx=1 となる。
したがって、dudx=1x であるため、変数分離形となる。

この両辺をxで積分すると、
dudxdx=1xdxdu=1xdxu=ln|x|+C

u=yx であるので、これを上式に代入すると、次式となる。
yx=ln|x|+C

したがって、一般解は、
y=x(ln(|x|)+C)( C : 任 意 定 数 )



1階線形微分方程式

1階線形微分方程式とは

f(x),g(x) をxのみの関数とする時、以下の形の微分方程式を、1階線形微分方程式(first-order linear differential equation)という。

dydx+f(x)y=g(x)(1)


上式(1)の中で、g(x)=0 の以下の方程式を同次方程式(homogeneous equation)という。

dydx+f(x)y=0(2)


上式(1)の中で、g(x)0 の場合の方程式を非同次方程式(inhomogeneous equation)という。

同次方程式は、変数分離形の方程式となる。

理由.
dydx+f(x)y=0( 同 次 方 程 式 ) を記述し直すと、
1ydydx=f(x)(y0) となり、左辺はyのみの関数、右辺はxのみの関数となる。


• まとめ:

  • 同次方程式(変数分離形)
    dydx+f(x)y=0
  • 非同次方程式
    dydx+f(x)y=g(x)(g(x)0)


1階線形微分方程式の例

  • dydx+y=x
  • dydx+3x2y=5x2
  • dydx+yx=sinx


1階線形微分方程式ではない例

  • yn(n2) の項があるものは、非線形である。
例. dydx+2xy=2xy4 (ベルヌーイ形の微分方程式)


1階線形微分方程式の一般解

定理
1階線形微分方程式 dydx+f(x)y=g(x) の一般解は、以下の公式で表される。
y=1h(x){g(x)h(x)dx+C}( C : 任 意 の 定 数 ) 

ここで、h(x)=ef(x)dx
f(x)dxf(x) の原始関数の1つ

上式にある h(x) を積分因子(integrating factor)という。


1階線形微分方程式の一般解の証明

1階線形微分方程式 dydx+f(x)y=g(x)(1) の両辺に h(x)=ef(x)dx(2)を乗算すると、次式が得られる。
(dydx+f(x)y)h(x)=g(x)h(x)dydxh(x)+y(f(x)h(x))=g(x)h(x)(3)

ここで、f(x)h(x)=dh(x)dx である。
なぜなら、上式(2)において、u=f(x)dx とおくと、h(x)=eu であるので、合成関数の微分公式より、次式が得られるからである。
dh(x)dx=deudxdudx=euddx{f(x)dx}=f(x)eu=f(x)h(x)

したがって、f(x)h(x)=dh(x)dx を考慮して、上式(3)の左辺を記述し直すと、dydxh(x)+ydh(x)dx=g(x)h(x)
さらに、積の微分公式より、ddx(yh(x))=g(x)h(x)(4) となる。

上式(4)の両辺をxで積分すると、次式が得られる。
yh(x)=g(x)h(x)dx+C

したがって、一般解は次式で表される。
y=1h(x){g(x)h(x)dx+C}( C : 任 意 の 定 数 )
QED.

1階線形微分方程式の例題

例題1. 1階線形微分方程式の一般解を求めよ。
xdydx+y=2x

解答.
両辺をxで割ると、dydx+yx=2 より、
f(x)=1x,g(x)=2 となる。

積分因子 h(x) を求める。
h(x)=ef(x)dx=e1xdx=eln(|x|)=|x|(2)

上記の式を y=1h(x){g(x)h(x)dx+C} に代入すると、
y=1|x|{2|x|dx+C}

ここで、|x|=±x より、
y=1±x{2(±)xdx+C}=1x{2xdx+C}=1x(x2+C)=x+Cx

ゆえに、一般解は次式となる。
y=x+Cx( C : 任 意 の 定 数 )