VPN - IP VANISH
概要
IP VANISHは、ログを一切取らないVPNサービスであり、インターネットのための安全な環境を提供している。
VPN接続が確立すると、全てのオンライントラフィック(Webブラウジング、動画ストリーミング、ファイル共有等)は暗号化されたトンネルを通過して、識別IPアドレスは隠蔽される。
また、122カ国以上にある150以上の場所に、3200台以上のVPNサーバを配置している。(2025年時点)
IP VANISHは、電話、メール、ライブチャットによる年中無休のカスタマーサポートを行っている。
ノーログポリシーの実態
IP VANISHはノーログVPNを標榜しているが、過去にはノーログの主張に反してユーザ情報を捜査機関に提供した事例が存在する。
2016年の捜査機関へのデータ提供事件
2016年5月から6月にかけて、米国国土安全保障省 (DHS) が児童ポルノ関連事件を捜査する過程で、容疑者が使用したIPアドレスをIP VANISHまで追跡した。
当時、IP VANISHは "ノーログポリシーを厳格に遵守" と公言していたにもかかわらず、以下に示す経緯でユーザ情報を提供した。
- DHSからの最初の問い合わせに対して、IP VANISHは "ログは保持していない" と回答した。
- しかし、DHSがより詳細な捜査令状を発行した後、IP VANISHは方針を変更した。
- 接続ログを含む詳細な個人情報を当局に開示した。
当時の運営会社はHighwinds Network Group (Mudhook Media) であった。
この事件は、IP VANISHのノーログ主張に対する重大な信頼性の問題を引き起こし、VPN業界全体の透明性向上への圧力につながった。
運営体制の変遷
IP VANISHは設立以降、複数回の経営変更を経ている。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2012年 | Mudhook Media Inc により設立 (Highwinds Network Groupの独立子会社) |
| 2016年 | DHS事件が発生 (上記参照) |
| 2017年2月 | StackPathが買収。買収時に独立監査を実施し、ログシステムが存在しないことを確認 |
| 2019年4月 | J2 Global (現 Ziff Davis) がStackPathから買収 |
| 2021年 | J2 Globalが企業分割し、デジタルメディアおよびサイバーセキュリティ部門がZiff Davisとして独立上場 (NASDAQ: ZD) |
| 現在 | Ziff Davis / NetProtect / VIPRE Security Group傘下で運営 |
第三者監査による検証
2017年のStackPath買収以降、IP VANISHは独立した第三者機関による監査を実施している。
- 2023年: Leviathan Security Groupによる監査
- IP VANISHがプライバシーポリシーのノーログ主張に準拠していることを確認した。
- 2025年2月: Schellman Compliance LLCによる監査 (2025年4月に結果発表)
- サーバ構成およびITシステム全体の技術的検証を実施した。
- エンジニアリングチームおよびオペレーションチームへの無制限アクセスが許可された。
- ログ構成の検査、サーバイメージの検査、シミュレートされたユーザセッション、テストトラフィックの実施、リアルタイム検証等が行われた。
- 監査結果として、ユーザ活動またはメタデータのログ証拠なし、元々のIPアドレスの非記録確認、トラフィック検査なしが確認された。
透明性への取り組み
現在のIP VANISHは、以下の取り組みにより透明性の向上を図っている。
- 四半期ごとの透明性報告書を公開
- 2025年Q4報告では、法的請求25件を受領したが0件のデータ提供、DMCA通知28,636件を受領したが0件のデータ提供であった。
- Trust Centerを開設し、全てのノーログ監査結果を公開
- VPN Trust Initiativeの創立メンバーとして、VPN業界全体のプライバシーおよびセキュリティ基準の向上に参加
残る懸念点
一方で、以下の懸念点が専門家から指摘されている。
- 米国に拠点を置いているため、Five Eyes監視協定の対象国である。
- 2016年の信頼侵害は事実として消えず、経営体制が複数回変わっている。
- 現在の独立監査があっても根本的な信頼性の懸念が残るとする専門家の意見もある。
IP VANISHの契約
IP VANISHの契約手順を以下に記載する。
- IP VANISHの公式Webサイトへアクセスして、ページ上部にある[Start Now]を選択する。
- [Pick your package]では、VPNのプランを選択する。
- [Select your plan]では、月間または年間のプランを選択する。
- [Create your account]では、新規アカウントを作成する。
- [Choose your payment method]では、支払い方法(クレジットカードまたはPayPal)を選択する。
- [I agree to the automatic renewal terms above.]チェックボックスにチェックを入力する。
- [Subscribe Now]を選択する。
IP VANISHの料金は、年間39.99ドル(更新時では、年間99.99ドル)である。(2025年時点)
IP VANISHの設定
IP VANISH(OpenVPN)を設定するには、以下の手順に従う。
NetworkManagerを使用する場合
- GNOMEの場合
- IP VANISHの公式Webサイトから、OpenVPNファイルをダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルを解凍する。
unzip config.zip
- OpenVPNの設定ファイルをインポートして使用するために必要な依存関係のライブラリをインストールする。
sudo zypper install openvpn NetworkManager-openvpn NetworkManager-openvpn-gnome
- GNOMEのホーム画面右上にある[ネットワーク]アイコンをクリックして、[有線接続]プルダウンから[有線設定]を選択する。
- [設定]画面が開くので、画面左にある[ネットワーク] - 画面右の[VPN]項目の右にある[+]ボタンを押下する。
- [VPNの追加]画面が開くので、[ファイルからインポート...]を選択する。
- 上記で解凍したOpenVPN設定ファイルを選択して、画面右上にある[開く]ボタンを押下する。
ここで、OpenVPNファイルの命名形式は、国-場所-サーバアドレスである。
例. ipvanish-AU-Sydney-syd-a01.ovpn - 選択したOpenVPN設定ファイルが未保存のセッションとしてNetworkManagerにインポートされるので、[VPNの追加]画面から以下に示す項目を入力および設定する。
- [Gateway]
- サーバのアドレスを確認する。
- [ユーザ名]
- IP VANISHのユーザ名を入力する。
- [パスワード]
- IP VANISHのパスワードを入力する。
- [Store the password for all users(すべてのユーザーのパスワードを保存する)]を選択する。
- [CA証明書]
ca.ipvanish.com.crtとラベル付けされていることを確認する。
- [Gateway]
- [VPNの追加]画面にある[IPv6]タブを選択して、[無効]ボタンを選択する。
- [VPNの追加]画面右上にある[追加]ボタンを押下する。
- 上記で選択したIP VANISHのOpenVPN設定が作成されて、IP VANISHのOpenVPNセッションが[VPN]項目の選択エリアにリストされていることを確認する。
これは、[VPN]項目の選択エリアにあるスライダースイッチを押下することにより、接続および切断を切り替えることができる。
また、GNOMEのホーム画面右上にある[ネットワーク]アイコンをクリックして、VPNの接続および切断を切り替えることができる。 - IPアドレスが匿名かつプライベートなIP VANISHに変更されたことを確認する場合は、http://ipchicken.com にアクセスする。
- KDEの場合
- IP VANISHの公式Webサイトから、OpenVPNファイルをダウンロードする。
または、以下のコマンドを実行してダウンロードする。 - ダウンロードしたファイルを解凍する。
unzip config.zip
- OpenVPNの設定ファイルをインポートして使用するために必要な依存関係のライブラリをインストールする。
sudo zypper install openvpn NetworkManager-openvpn plasma-nm5-openvpn
- [KDEシステム設定]を起動して、[接続]を選択する。
- [接続]画面が開くので、画面左下(接続先リストの下)にある[+]を押下する。
- [接続タイプの選択]画面が開くので、リストの最下行にある[VPN接続をインポート...]オプションを選択して[作成]ボタンを押下する。
- [VPN接続をインポート]画面が開くので、解凍したconfigディレクトリ内にあるOpenVPNファイル(VPNサーバ)を選択する。
例. ipvanish-UK-London-lon-a01.ovpn - 証明書をコピーするよう求められたら、[はい]ボタンを押下する。
- [接続]画面左にIP VANISHのVPN接続が表示されるので、IP VANISHのVPN接続を選択する。
- [接続]画面右にある[VPN(openvpn)]タブを選択して、IP VANISHのユーザ名とパスワードを入力する。
- [接続]画面右にある[IPv6]タブを選択して、[この接続には IPv6 が必要]チェックボックスのチェックを外す。
- [接続画面]右下にある[適用]ボタンを押下する。
- タスクバーにあるネットワークアイコンをクリックすると、上記のセクションで作成したOpenVPNが表示されるので、[接続]ボタンを押下する。
- IP Checkerにアクセスして、VPNを通して接続されているかどうかを確認する。
OpenVPNコマンドを使用する場合
- IP VANISHのOpenVPN設定ファイルをIP VANISHの公式Webサイトからダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルを解凍する。
解凍したディレクトリには、OpenVPNファイルと証明書ファイル(.crt拡張子)の2つがある。 - 上記で編集したOpenVPN設定ファイルを使用して、OpenVPNをコマンドから起動する。
cd <OpenVPNの設定ファイルがあるディレクトリ>sudo openvpn --config <OpenVPNの設定ファイルのパス>- または
sudo openvpn --config <OpenVPNの設定ファイルのパス> --ca <証明書ファイルのパス>
WebブラウザからIP VANISHに接続する
- SOCKS5のガイドに従って、FireFoxのSocks5プロキシを設定する。
IPVanishは、Webトラフィックを匿名化するため、FoxyProxy StandardアドオンをインストールしてSOCKS5プロキシを構成することを推奨している。 - Firefoxのアドオンページに移動して、検索ボックスで"FoxyProxy Standard"と検索する。
- FirefoxにFoxyProxy Standardアドオンをインストールする。
- FoxyProxy Standardのアイコンから[オプション]を選択して、FoxyProxy Standardの設定画面を表示する。
- 設定画面左にある[Add]ボタンを押下して、IP VanishのSOCKS5プロキシを設定する。
- Title
- IPVanish Proxy
- Proxy Type
- SOCKS5
- Proxy IP address, DNS name
- SOCKS5プロキシのアドレス、SOCKS5プロキシのユーザ名およびパスワードは、IP VanishのマイアカウントページにあるSOCKS5プロキシタブで見つけることができる。
- Port
- 1080
- Username
- IP Vanishのユーザ名
- Password
- IP Vanishのパスワード
- Title
- 設定画面左にある全てのトグルスイッチを有効化する。
- [Save]ボタンを押下する。
- 新しいページに自動的に遷移するので、設定画面上部にあるプルダウンから[Turn Off(Use Firefox Settings)]を選択して、上記で追加したSOCKS5プロキシサーバを選択する。
- 設定画面左にある[What's My IP]を選択して、SOCKS5プロキシサーバ経由で接続されていることを確認する。
- IP Checkerにアクセスして、VPNを通して接続されているかどうかを確認する。
VPN over Tor
IP VANISHは、VPN over TORをサポートしていない。
VPN接続、または、Tor over VPN接続のみが使用できることに注意する。
Tor over VPN
VPNネットワーク経由でTorに接続する方法であり、Torは終了ノードになる。(Tor over VPN)
- "IP VANISHの設定"セクションを参照して、VPNに接続する。
- Torブラウザの公式Webサイトにアクセスして、Torブラウザをダウンロードおよびインストールする。
- Torブラウザを起動して、[Connect]ボタンを押下する。
Torブラウザの設定はデフォルトのままでよい。