概要

Claude Codeは、Anthropicが提供するAIエージェント型コーディングツールであり、OpenCodeのようなクライアント・サーバアーキテクチャを持たない。

そのため、OpenCodeの opencode serveopencode web コマンドのようなサーバ起動コマンドは存在せず、HTTPサーバとして動作させることはできない。

しかし、以下に示す3つの方法でリモートアクセスを実現できる。

  • SSH + Tailscale + tmux
    SSHでリモートサーバに接続し、Tailscaleでセキュアなネットワークを構築、tmuxでセッションを永続化する方法である。
  • VS Code Remote SSH
    VS CodeのRemote SSH拡張機能を使用してリモートサーバに接続し、Claude Code拡張機能を使用する方法である。
  • Remote Control (/rc)
    Claude Codeの組み込み機能を使用して、モバイルアプリやブラウザからローカルセッションを継続する方法である。


下表に、各方法の特徴を示す。

リモートアクセス方法の比較
方法 接続先 必要なプラン 特徴
SSH + Tailscale + tmux リモートサーバ 全プラン対応 セッション永続化
低コスト
VS Code Remote SSH リモートサーバ 全プラン対応 IDE統合
使いやすいUI
Remote Control (/rc) ローカルPC Max / Pro (予定) モバイル対応
公式機能



方法 1 : SSH + Tailscale + tmux

SSHでリモートサーバに接続し、tmuxでセッションを永続化することで、Claude Codeをリモート環境で使用できる。
Tailscaleを使用することで、ポート転送や動的DNSの設定不要でセキュアな接続が可能である。

前提条件

  • サーバ側
    Claude CodeがインストールされているLinuxディストリビューション : RHEL、SUSE、Debian等
  • クライアント側
    SSHクライアントが動作する任意のデバイス : PC、スマートフォン等
  • Tailscaleアカウント
    無料アカウントで最大100デバイスまで接続可能である。


Tailscaleの設定

サーバ側の設定

Tailscaleをサーバにインストールして設定する。

# Tailscaleのインストール (Linux)
curl -fsSL https://tailscale.com/install.sh | sh

# Tailscaleにログイン
sudo tailscale up


ログインが完了すると、サーバにTailscaleのIPアドレス (例: 100.64.1.5) が割り当てられる。
また、ホスト名 (例: myserver.ts.net) でアクセスできるようになる。

クライアント側の設定

クライアントデバイスにもTailscaleをインストールする。

  • Windows / MacOS / Linux
    Tailscaleの公式サイトからインストーラをダウンロードしてインストールする。
  • iOS / Android
    App Store または Google PlayからTailscaleアプリをインストールする。


サーバ側と同じTailscaleアカウントでログインすることにより、デバイス間で接続可能になる。

SSH接続設定

サーバ側のSSH設定

SSHサーバが有効になっていることを確認する。

# RHEL / SUSE
sudo systemctl enable sshd
sudo systemctl start sshd

# ファイアウォールでSSHを許可 (firewalld使用時)
sudo firewall-cmd --permanent --add-service=ssh
sudo firewall-cmd --reload


クライアント側からの接続

Tailscale経由でSSH接続する。

# TailscaleのIPアドレスで接続
ssh <ユーザ名>@<IPアドレス または ホスト名  例: 100.64.1.5>

# またはTailscaleのホスト名で接続
ssh <ユーザ名>@<IPアドレス または ホスト名  例: myserver.ts.net>
</syntaxhighlight>


tmuxによるセッション永続化

tmuxのインストール

サーバ側にtmuxをインストールする。

# RHEL
sudo dnf install tmux

# SUSE
sudo zypper install tmux

# Debian
sudo apt install tmux

# MacOS
brew install tmux
</syntaxhighlight>


tmuxセッションの作成と使用

tmuxセッションを作成して、Claude Codeを実行する。

# 新しいtmuxセッションを作成
tmux new -s claude

# Claude Codeを起動
claude

# セッションからデタッチ ([Ctrl] + [B]キー → [D]キー)
# セッションはバックグラウンドで継続する


tmuxセッションへの再接続

接続が切れた場合や別のデバイスから接続する場合、既存のセッションに再接続できる。

# セッション一覧を表示
tmux ls

# 既存のセッションにアタッチ
tmux attach -t claude

# セッションが存在する場合はアタッチ、存在しない場合は新規作成
tmux new -A -s claude


SSH接続時に自動的にtmuxセッションに接続する設定

.ssh/config ファイルを設定することにより、SSH接続時に自動的にtmuxセッションに接続できる。

vi ~/.ssh/config


# ~/.ssh/configファイル

Host claude-server
   HostName <ホスト名  例: myserver.ts.net>
   User <ユーザ名>
   RequestTTY yes
   RemoteCommand tmux new -A -s claude


この設定により、以下に示すコマンドだけで自動的にtmuxセッションに接続できる。

ssh claude-server



方法 2 : VS Code Remote SSH

VS CodeのRemote SSH拡張機能を使用して、リモートサーバ上のClaude CodeをIDE内で使用できる。

前提条件

  • クライアント側
    Visual Studio Code 1.98.0以降
  • サーバ側
    SSHサーバが動作するLinuxサーバ (RHEL 7以降、Ubuntu 16.04以降等)
    最低1[GB] RAM、推奨2[GB] RAM以上


VS Code拡張機能のインストール =

Remote SSH拡張機能のインストール

VS CodeでRemote SSH拡張機能をインストールする。

  1. VS Codeを開く。
  2. 拡張機能ビューを開く。([Ctrl] + [Shift] + [X]キー)
  3. Remote - SSH を検索する。
  4. Microsoftが提供する Remote - SSH 拡張機能をインストールする。


Claude Code拡張機能のインストール
  1. 拡張機能ビューで Claude Code を検索する。
  2. Anthropicが提供する公式拡張機能をインストールする。


Remote SSHの設定 =

SSHホストの追加
  1. コマンドパレットを開く。([Ctrl] + [Shift] + [P]キー)
  2. Remote-SSH: Add New SSH Host を選択する。
  3. 接続コマンドを入力する。
    ssh <ユーザ名>@<IPアドレス または ホスト名  例: myserver.ts.net>
  4. SSH設定ファイルを選択する。
    通常は、~/.ssh/config ファイル


SSH設定ファイルの例
vi ~/.ssh/config


# ~/.ssh/configファイル

Host claude-server
   HostName <IPアドレス または ホスト名  例: myserver.ts.net>
   User <ユーザ名>
   IdentityFile ~/.ssh/id_ed25519


リモートサーバへの接続 =

  1. コマンドパレットを開く。([Ctrl] + [Shift] + [P]キー)
  2. [Remote-SSH: Connect to Host]を選択する。
  3. 設定したホスト名を選択する。
  4. 新しいVS Codeウィンドウが開いて、リモートサーバに接続される。


初回接続時は、VS Code Serverがリモートサーバに自動的にインストールされる。
数分掛かる場合があることに似注意する。

Claude Code拡張機能の使用 =

リモートサーバに接続した状態で、Claude Code拡張機能を使用できる。

  1. サイドバーのClaude Codeアイコンを選択する。
  2. チャットパネルが開くので、リモートサーバ上のファイルやプロジェクトに対してClaude Codeを使用できる。


※注意
VS Code拡張機能では /rc コマンド (Remote Control) はサポートされていない。


方法 3 : Remote Control (/rc)

Remote Controlは、Claude Codeの組み込み機能であり、ローカルで実行中のセッションをモバイルアプリやWebブラウザから継続できる。

機能の概要

Remote Controlを使用すると、以下に示すことが可能である。

  • デスクで開始したタスクを、スマートフォンやタブレットから継続できる。
  • ローカル環境 (ファイルシステム、MCPサーバ、ツール、プロジェクト設定) をリモートから利用できる。
  • 複数のデバイス間で会話が同期される。
  • ネットワーク切断やスリープから自動的に復旧できる。


※注意
セッションはローカルPCで実行され続ける。
ソースコードはクラウドに転送されない。

対応プラン

Remote Control対応プラン
プラン 対応状況
Max 対応済み (リサーチプレビュー)
Pro 順次ロールアウト予定
Team 未対応
Enterprise 未対応
API キー 未対応


設定方法 =

前提条件
  • Maxプラン または Proプランのサブスクリプションを契約していること。
  • claude コマンドで /login を実行してclaude.aiで認証済みであること。
  • ワークスペースの信頼ダイアログを承認済みである琴。


新規セッションの開始

プロジェクトディレクトリで以下に示すコマンドを実行する。

# Remote Controlセッションを開始
claude remote-control


セッションURLとQRコードが表示される。
スペースキーを押下すると、QRコードの表示を切り替えられる。

既存セッションからのRemote Control開始

既にClaude Codeセッションを実行中の場合、以下のコマンドでRemote Controlを開始できる。

/remote-control
# または短縮形で
/rc


他のデバイスからの接続

Remote Controlセッションがアクティブな場合、以下に示す方法で接続できる。

  • ブラウザでセッションURLを開く
    claude.ai/codeでセッションに直接アクセスできる。
  • QRコードをスキャンする。
    Claude mobile app (iOS / Android) でQRコードをスキャンして接続する。
  • Claude mobile appでセッション一覧から選択する。
    リモートセッションはコンピュータアイコンと緑のステータスドットで表示される。


全セッションでRemote Controlを有効にする

デフォルトでは、Remote Controlは明示的に有効化した場合のみ動作する。

全てのセッションで自動的にRemote Controlを有効にするには、Claude Code内で /config を実行し、
[Enable Remote Control for all sessions]を true に設定する。

制限事項

  • 1つのClaude Codeセッションにつき1つのリモート接続のみサポート
  • ターミナルを閉じるとセッションが終了する。
  • ネットワークが約10分間切断されるとセッションがタイムアウトする。



トラブルシューティング

SSH接続できない場合

チェックリスト
  • SSHサーバが起動しているか確認
    sudo systemctl status sshd コマンドで確認する。
  • ファイアウォール設定を確認
    SSHポート (デフォルトは、22番ポート) が開放されているか確認する。
  • Tailscaleの接続状態を確認
    tailscale status コマンドでデバイスがオンラインか確認する。


Tailscaleのトラブルシューティング
# Tailscaleの状態確認
tailscale status

# Tailscaleの再接続
sudo tailscale down
sudo tailscale up

# DNSの確認
tailscale status --json | jq .Self.DNSName


tmuxセッションが見つからない場合

# セッション一覧を表示
tmux ls

# 全てのセッションを確認
tmux list-sessions

# セッションが存在しない場合は新規作成
tmux new -s claude


VS Code Remote SSHで接続できない場合

  • ログの確認
    [表示] - [出力] - [Remote-SSH] でログを確認する。
  • SSH設定の確認
    ~/.ssh/config ファイルの設定が正しいか確認する。
  • 手動SSH接続の確認
    ターミナルから直接 ssh <ユーザ名>@<IPアドレス または ホスト名> で接続できるか確認する。


Remote Controlが動作しない場合

プランの確認

Remote Controlは、Claude MaxプランまたはProプランでのみ利用可能である。
Team、Enterprise、APIキーを使用している場合は利用できない。

認証の確認
# ログイン状態を確認
claude /login

# 再度ログイン
claude /login


ネットワークの確認
  • ローカルPCがインターネットに接続されているか確認する。
  • ファイアウォールで発信HTTPS接続がブロックされていないか確認する。


モバイルアプリでQRコードが読み取れない場合

  • Claude mobile appが最新版であることを確認する。
  • QRコードを拡大してスキャンする。
  • 手動でセッションURLを入力する。



関連リンク