概要

記述統計において、2変数間の相関がある時、
一方の変数xから他方の変数yの関係式を求める方法である回帰分析を学習する。


回帰分析とは

N個のデータの組 x1,y1,,xN,yN について、
直線モデル (回帰直線) y=ax+b を当てはめて、データの分布を表す直線を計算することである。

これは、直線の傾きaと切片bを変化させて決める。

2変数間の相関係数rxyの絶対値が大きい場合に有効である。

a=x と y の共分散x の母分散=1ni=1N(xix¯)(yiy¯)σx2

b=y¯ax¯

以上のことから、回帰直線は次式となる。
y^=ax+b=ax+y¯ax¯=a(xx¯)+y¯


回帰分析の使い道

  • 回帰直線を使用して、yの推定に利用する。
    y^=ax+b=a(xx¯)+y¯

  • 代入するxの値には注意が必要である。
    • 内挿 (問題なし)
       元 デ ー タ の 最 小 x  代 入 す る x  元 デ ー タ の 最 大 x 
    • 外挿 (問題あり : 範囲外での推定精度は保証できないため)
       代 入 す る x  元 デ ー タ の 最 小 x 
      または
       元 デ ー タ の 最 大 x  代 入 す る x 

      ただし、外挿しても問題ない場合もあるため、推定結果が妥当かどうかを常に考えることが重要である。



回帰分析の推定精度

回帰分析の推定精度を表すには、寄与率R2を用いる。
R2=1Sei=1N(yiy¯)2

  • 寄与率R2は、0〜1の範囲にあり、回帰直線の精度が高いほど寄与率は1に近づく。
  • 相関係数rxyの2乗が寄与率R2に等しい。
    R2=(rxy)2=( 相 関 係 数 )2



回帰分析の原理

N個のデータの組(x1, y1)、...、(xN, yN)について、直線モデル(回帰直線)y^=ax+bを当てはめる時、
実際には誤差があるため、元の値yiと回帰直線の式で推定した値 yi^=axi+bの差が最小になるようにしなくてはならない。

 


真値との誤差の2乗 ϵi2=(yiyi^)2 の総和が最小になれば、直線モデル(回帰直線)が最良になる。

元の値yiと回帰直線で推定した値 yi^=axi+b の差(誤差 ϵi2=(yiyi^)2 )が最小になるようにするには、
全データの誤差の2乗(誤差ϵi2=(yiyi^)2)の和が最小になるように、直線の傾きaと切片bを決める。

これを、最小2乗法と呼ぶ。
Se=i=1Nϵi2=i=1N(yiyi^)2=i=1N{yi(axi+b)}2

全データ組の誤差の2乗和Seを最小にする回帰係数a、bを求める。
Se=i=1N(yiyi^)2=i=1N{yi(axi+b)}2

上記の回帰係数を求めるには、Seの偏微分の結果が0となる鞍点を求める。
Sea=2i=1N{yi(axi+b)}(xi)=0

Seb=2i=1N{yi(axi+b)}(1)=0

上記の2式を整理して次式とする。
これらを、正規方程式と呼ぶ。
i=1Nyiai=1NxibN=0 … (1)
i=1Nxiyiai=1Nxi2bi=1Nxi=0 … (2)

上式を全データ組Nで除算する。
b=1Ni=1Nyia1Ni=1Nxi=y¯ax¯

したがって、回帰直線の切片bは、傾きa、xの平均、yの平均で求めることができる。

b=y¯ax¯ を下式に代入する。
i=1Nxiyiai=1Nxi2(y¯ax¯)i=1Nxi=0
a(i=1Nxi2Nx¯2)=(i=1NxiyiNx¯y¯)ai=1N(xix¯)2=i=1N(xix¯)(yiy¯)a=i=1N(xix¯)(yiy¯)i=1N(xix¯)2=Cxyσx2= x と y の 共 分 散  x の 母 分 散 

全データ組の誤差の2乗和Seが最小になる回帰係数は、
a= x と y の 共 分 散  x の 母 分 散 
b=y¯ax¯

したがって、回帰直線は全データ組の平均値xとyを通る。
y^=ax+b=ax+y¯ax¯=a(xx¯)+y¯

最小となったSeの値は、次式となる。
Se=i=1Nyi(axi+b)2=i=1N(yiy¯)2ai=1N(xix¯)(yiy¯)