概要
MediaWikiの運用・管理において必要となる設定や操作において、キャッシュの管理、削除ページの履歴の完全な削除、.htaccessを使用したBasic認証によるアクセス制限等の設定や拡張の導入以外の運用・保守に関するトピックを扱う。
キャッシュの削除
MediaWikiのキャッシュを削除するには、いくつかの方法がある。
推奨される手順を以下に示す。
- まず、Webインターフェースからの方法を試す。
- 解決しない場合は、メンテナンススクリプトを使用する。
- より徹底的な削除が必要な場合は、複数の方法を組み合わせる。
※注意
- キャッシュクリアは一時的にサイトのパフォーマンスに影響を与える可能性がある。
- 大規模なコンテンツの場合、キャッシュの再構築に時間が掛かることがある。
- 本番環境での作業の場合は、メンテナンス時間中に実行することを推奨する。
Webインターフェースから削除 (管理者のみ)
- Special:サイト管理 (Special:Version) ページに移動する。
- ページ下部にある[キャッシュ]セクションにおいて、[キャッシュを空にする]を選択する。
maintenance scriptの使用
MediaWikiのインストールディレクトリに移動する。
cd <MediaWikiのインストールディレクトリ>
キャッシュ全体を削除する。
# MediaWiki 1.40以降の場合 php maintenance/run.php rebuildall または phpcli maintenance/run.php rebuildall php maintenance/run.php update または phpcli maintenance/run.php update # MediaWiki 1.39以前の場合 php maintenance/rebuildall.php または phpcli maintenance/rebuildall.php php maintenance/update.php または phpcli maintenance/update.php
個別のキャッシュを削除する場合
MediaWikiのインストールディレクトリに移動する。
cd <MediaWikiのインストールディレクトリ>
# ローカライゼーションキャッシュの再構築 php maintenance/rebuildLocalisationCache.php または phpcli maintenance/rebuildLocalisationCache.php # リソースローダーキャッシュの削除 php maintenance/refreshLinks.php または phpcli maintenance/refreshLinks.php
ファイルシステムから直接削除
MediaWikiのインストールディレクトリに移動する。
cd <MediaWikiのインストールディレクトリ>
キャッシュディレクトリの内容を削除する。
rm -rf ./cache/*
LocalSettings.phpで一時的にキャッシュを無効化
vi LocalSettings.php
// LocalSettings.phpファイル
$wgCacheDirectory = false;
$wgEnableParserCache = false;
削除ページの履歴の完全な削除
これは、復元不可能になるため注意が必要である。
全ての削除ページの履歴を完全に削除する場合は、まず、まず削除される件数を確認する。
# MediaWiki 1.40以降の場合 php maintenance/run.php deleteArchivedRevisions または phpcli maintenance/run.php deleteArchivedRevisions # MediaWiki 1.39以前の場合 php maintenance/deleteArchivedRevisions.php
削除を実行する。
これにより、削除されたリビジョンが保存されているarchiveテーブルが消去されて、削除されたページのテキストも削除される。
# MediaWiki 1.40以降の場合 php maintenance/run.php deleteArchivedRevisions --delete または phpcli maintenance/run.php deleteArchivedRevisions --delete # MediaWiki 1.39以前の場合 php maintenance/deleteArchivedRevisions.php --delete または phpcli maintenance/deleteArchivedRevisions.php --delete
次に、参照されていないテキストデータも削除するため、テキストデータをクリーンアップする。
# MediaWiki 1.40以降の場合 php maintenance/run.php purgeOldText --purge # MediaWiki 1.39以前の場合 php maintenance/purgeOldText.php --purge または phpcli maintenance/purgeOldText.php --purge
削除記録を消去する。
- MariaDB または MySQLにログインする。
mysql -u mochiu_wiki -p
- MediaWikiが使用しているデータベースを選択する。
use <データベース名>;
- 削除記録を消去する。
-- 全ての削除記録を削除する場合 DELETE FROM logging WHERE log_type = 'delete'; -- 特定の期間の削除記録を削除する場合 DELETE FROM logging WHERE log_type = 'delete' AND log_timestamp BETWEEN '20240101000000' AND '20241231235959'; -- 特定のユーザによる削除記録を削除する場合 DELETE FROM logging WHERE log_type = 'delete' AND log_user = ユーザーID;
データベースの設定によっては、リビジョンを削除した後、SQLコマンドOPTIMIZE TABLE text, archiveを実行してアーカイブすることもできる。
.htaccessを使用したBasic認証
バリューサーバにおいて、.htaccessを使用したBasic認証により、特定のディレクトリへのアクセスを制限することができる。
Basic認証では、.htaccess ファイル (アクセス制御ルール) と .htpasswd ファイル (ユーザ名と暗号化されたパスワード) の2つのファイルが必要となる。
.htpasswd ファイルは、セキュリティ上、Webからアクセスできない場所に配置する。
※注意
- LiteSpeedはApache互換の.htaccessをサポートしているため、以下の設定がそのまま動作する。
- ただし、.htaccessを変更した直後はキャッシュの関係で反映が遅れる場合がある。
うまく動作しない場合は、数分待ってから再度アクセスすること。
サーバ上の絶対パスの確認
AuthUserFile ディレクティブに指定するパスが不明な場合は、public_htmlディレクトリ内に一時的に以下のPHPファイルを配置して確認する。
<?php
// このファイル自身の絶対パスを表示する
echo __FILE__;
?>
例えば、"/virtual/<アカウント名>/public_html/test.php" と表示された場合、ドキュメントルートの親ディレクトリは "/virtual/<アカウント名>/" となる。
※注意
確認後は、このPHPファイルを必ず削除すること。
.htpasswdファイルの作成
パスワードファイルを公開ディレクトリより上の階層に配置する。
バリューサーバのドキュメントルートは /virtual/アカウント名/public_html/ であるため、
.htpasswd ファイルは、/virtual/アカウント名/ (バリューサーバの場合) の直下に配置する。
パスワードのハッシュを生成する。(Winodws環境の場合はWSL、Linux環境等で実行する)
htpasswd -cb .htpasswd <ユーザ名> <パスワード>
生成される .htpasswd ファイルの内容は以下のようになる。
myuser:$apr1$xxxxx$xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
このファイルをFTPまたはファイルマネージャを使用して、/virtual/<アカウント名>/.htpasswdとしてアップロードする。
.htaccessファイルの作成
保護したいディレクトリ (例: /virtual/<アカウント名>/public_html/a/) に、以下の内容で .htaccess ファイルを作成・配置する。
# Basic認証の設定
AuthType Basic
AuthName "Restricted Area"
AuthUserFile /virtual/<アカウント名>/.htpasswd
Require valid-user
各ディレクティブの説明を以下に示す。
AuthType Basic- 認証方式としてBasic認証を使用することを宣言する。
AuthName- ブラウザにログインダイアログが表示される時の領域名 (メッセージ) を指定する。任意の文字列でよい。
AuthUserFile- .htpasswd ファイルのサーバ上の絶対パスを指定する。
- "アカウント名"の部分は自身のバリューサーバのアカウント名に置き換える。
Require valid-user- .htpasswd ファイルに登録されている全ユーザにアクセスを許可する。
動作確認
Webブラウザで対象のURLにアクセスする。
ユーザ名とパスワードの入力を求めるダイアログが表示されることを確認する。
- 正しい認証情報を入力した場合は、ページが表示される。
- キャンセルまたは誤った入力の場合は、401 Unauthorized エラーが表示される。