「Tauriの基礎 - 開発環境」の版間の差分

提供: MochiuWiki : SUSE, EC, PCB

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アプリケーションが起動する直後に実行したい処理がある場合は、このファイルに記述する。<br>
アプリケーションが起動する直後に実行したい処理がある場合は、このファイルに記述する。<br>
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<syntaxhighlight lang="ts">
// このファイルの役割:
// 1. index.htmlのroot要素を特定する
// 2. その要素をReactアプリケーションのコンテナとして設定する
// 3. Appコンポーネントをレンダリング (描画) する
// 4. 開発時の品質チェック (StrictMode) を有効化する
//
// このファイルはアプリケーション全体のエントリーポイントであり、
// index.htmlから<script>タグで読み込まれることで、Reactアプリケーションが起動する
// Reactライブラリの本体をインポート
// Reactは、UIを構築するためのコアライブラリ
// このインポートにより、JSX構文やReactの基本機能が使えるようになる
import React from "react";
// ReactDOMのクライアントサイド機能をインポート
// ReactDOM/clientは、Reactコンポーネントを実際のHTML DOM要素に変換し、Webブラウザの画面に描画するための機能を提供する
// "react-dom/client"は、React 18以降で導入された新しいAPIで、以前の"react-dom"より高速かつ柔軟なレンダリングが可能になっている
import ReactDOM from "react-dom/client";
// アプリケーションのメインコンポーネント (App) をインポート
// このコンポーネントが、アプリケーション全体の構造と機能を定義している
// "./App"という相対パスは、同じディレクトリ (src) 内のApp.tsxファイルを指す
// .tsxや.jsxの拡張子は、インポート時に省略できる
import App from "./App";
// ReactDOMのcreateRootメソッドを使って、Reactアプリケーションのルート (起点) を作成
// この処理は、Reactアプリケーションを起動するための最も重要なステップ
//
// document.getElementById("root"):
//  - index.html内の<div id="root"></div>要素を取得
//  - この要素が、Reactアプリケーション全体を表示するコンテナとなる
//  - 全てのReactコンポーネントは、最終的にこの要素の中に描画される
//
// as HTMLElement:
//  - TypeScriptの型アサーション (型の明示的な指定)
//  - getElementById()はHTMLElement | nullを返す可能性があるが、
//    ここでは確実にHTMLElementが存在することを開発者が保証している
//  - もし要素が見つからない場合、実行時エラーが発生するので注意が必要
//
// createRoot():
//  - React 18で導入された新しいAPIで、アプリケーションのルートを作成
//  - この関数が返すルートオブジェクトを使って、Reactコンポーネントを描画する
//  - 以前のReactDOM.render()と比べて、並行レンダリングなどの新機能が使える
ReactDOM.createRoot(document.getElementById("root") as HTMLElement).render(
  // React.StrictModeコンポーネントでアプリケーション全体を包む
  // StrictModeは、開発時にのみ動作する特殊なコンポーネントで、以下の機能を提供する:
  //
  // 1. 潜在的な問題の検出:
  //    - 非推奨のライフサイクルメソッドの使用を警告
  //    - レガシーなAPI (findDOMNode等) の使用を警告
  //    - 予期しない副作用 (side effects) を検出
  //
  // 2. 2重レンダリング:
  //    - コンポーネントを意図的に2回レンダリングすることで、
  //      副作用の問題を早期に発見できる
  //    - 本番環境では、この2重レンダリングは行われない
  //
  // 3. より良いコードの習慣を促す:
  //    - 将来のReactのバージョンに対応しやすいコードを書くことを推奨
  //
  // StrictModeは画面に何も描画せず、子コンポーネントのチェックのみを行う
  // 開発環境でのみ動作し、本番ビルドでは完全に無効化されるため、パフォーマンスへの影響はない
  <React.StrictMode>
    {/* Appコンポーネントを描画 */}
    {/* このコンポーネントが、アプリケーションの実際の内容を表示する */}
    {/* App.tsxで定義されたすべてのUI要素が、ここから展開される */}
    <App />
  </React.StrictMode>,
);
</syntaxhighlight>
<br>
==== src/App.tsx : メインのReactコンポーネント ====
==== src/App.tsx : メインのReactコンポーネント ====
アプリケーションのメインとなるReactコンポーネントである。<br>
アプリケーションのメインとなるReactコンポーネントである。<br>

2025年12月5日 (金) 04:07時点における版

概要

Tauriは、RustとWeb技術を組み合わせてデスクトップアプリケーションを構築するための軽量なフレームワークである。

ElectronやNW.jsのような既存のデスクトップアプリケーション開発フレームワークと比較して、Tauriは大幅に小さいバイナリサイズと優れたパフォーマンスを実現している。
これは、ChromiumやNode.jsをバンドルする代わりに、OSが提供するネイティブのWebViewを利用しているからである。

Tauriのアーキテクチャは、バックエンド (コア機能やシステムAPI) にRustを使用し、フロントエンド (ユーザインターフェース) には任意のWebフレームワークを使用できる柔軟な設計になっている。
React、Vue、Svelte、あるいは純粋なHTML / CSS / JavaScript等、開発者が慣れ親しんだ技術を選択することができる。

Tauriで開発されたアプリケーションは、Windows、MacOS、Linuxの各プラットフォーム向けにビルドできる。
また、モバイルプラットフォーム (iOS、Android) のサポートも進行中である。

バックエンドのRustコードは強力な型システムとメモリ安全性を提供し、フロントエンドのReactは豊富なエコシステムと開発者体験を提供する。
この組み合わせにより、安全で高速、かつ保守性の高いデスクトップアプリケーションを開発できる。


依存関係のパッケージのインストール

Tauriがネイティブアプリケーションをビルドするために必要な依存関係をインストールする。

webkit2gtk3はWebViewを表示するためのエンジン、opensslは暗号化通信、他のライブラリはアプリケーションの各種機能やアイコン表示に使用される。

# SUSE
sudo zypper install curl wget file webkit2gtk3-devel openssl-devel libappindicator3-devel librsvg-devel


Node.jsのインストール

Reactを動かすためのJavaScript環境が必要である。

最も推奨される方法は、Node Version Manager (nvm) を使用する方法である。
これを使用すると、異なるプロジェクトで異なるNode.jsのバージョンを簡単に切り替えることができる。

Node.jsのインストールは、インストール - Yarn#NordJS のページを参照すること。


Tauri CLIのインストール

Tauriのコマンドラインツールをインストールする。
これには2つの方法が存在するが、推奨される方法は npm を使用する方法である。

# ローカルにインストールする場合
npm install @tauri-apps/cli

# グローバルにインストールする場合
npm install -g @tauri-apps/cli

# Rustのパッケージマネージャであるcargoを使用する場合
cargo install tauri-cli


インストールが完了した後、動作確認をする。

npm exec tauri --version



プロジェクトの作成

任意のディレクトリに移動して、以下に示すコマンドを実行する。

npm create tauri-app@latest
  • プロジェクト名
    任意の名前 (例: my-tauri-app)
  • パッケージマネージャ
    npm
  • UIフレームワーク
    React
  • TypeScriptを使用するかどうか
    TypeScriptを推奨する。


プロジェクトのセットアップが完了した後、自動生成されたプロジェクトディレクトリに移動する。

cd <プロジェクト名>



プロジェクト構造

srcディレクトリにはReactのフロントエンドコード、src-tauriディレクトリにはRustのバックエンドコードが配置される。

index.html : アプリケーションの入口

index.htmlは、Tauriアプリケーション全体の入り口となるHTMLファイルである。
通常のWebサイトと同様、TauriのWebViewが最初に読み込むページとなる。

head タグの中には基本的なメタ情報、body タグの中には div タグが1つだけあり、そこにid="root"のような属性が付いている。
この div タグが、Reactアプリケーション全体が描画される場所になる。

ファイルの最後には script タグがあり、JavaScriptファイル (通常は、src/main.tsxやsrc/main.jsx) を読み込んでいる。

※重要
画面の内容は、全てReactが動的に生成して、このrootのdiv要素の中に挿入していく。
これが、シングルページアプリケーション (SPA) と呼ばれる仕組みの基本である。

 <!doctype html>
 <html lang="en">
   <head>
     <!-- 文字エンコーディングをUTF-8に設定 (日本語等の多言語文字を正しく表示するために必要) -->
     <meta charset="UTF-8" />
 
     <!-- ファビコン (ブラウザのタブに表示される小さなアイコン) の設定 -->
     <!-- この場合はViteのロゴをSVG形式で使用している -->
     <link rel="icon" type="image/svg+xml" href="/vite.svg" />
 
     <!-- レスポンシブデザインのための設定 -->
     <!-- width=device-widthでデバイスの画面幅に合わせ、initial-scale=1.0で初期ズーム倍率を1倍に設定 -->
     <!-- これにより、モバイルデバイスでも適切に表示される -->
     <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0" />
 
     <!-- ブラウザのタブやウィンドウのタイトルバーに表示されるタイトル -->
     <title>Tauri + React + Typescript</title>
   </head>
   <body>
     <!-- Reactアプリケーション全体が描画される起点となる要素 -->
     <!-- このdiv要素の中に、main.tsxで起動されたReactコンポーネントが挿入される -->
     <!-- id="root"という識別子により、JavaScriptからこの要素を特定できる -->
     <div id="root"></div>
 
     <!-- Reactアプリケーションのエントリーポイント (起動スクリプト) を読み込む -->
     <!-- type="module"により、ES6モジュール形式として扱われ、importやexportが使える -->
     <!-- main.tsxが実行されることで、Reactアプリケーションが初期化され、上記のroot要素に描画される -->
     <script type="module" src="/src/main.tsx"></script>
   </body>
 </html>


tsconfig.json : TypeScriptのメイン設定

TypeScriptコンパイラに対して、「どのようにTypeScriptコードをJavaScriptコードに変換すればよいか」を指示する設定ファイルである。

TypeScriptは、JavaScriptに型の概念を追加した言語で、開発時にはTypeScriptで記述するが、動作させる時にはJavaScriptに変換する必要がある。
この変換ルールがtsconfig.jsonに記述されている。

例えば、以下に示すような設定が含まれている。

  • どのバージョンのJavaScriptに変換するか
  • どのディレクトリのファイルをコンパイル対象にするか
  • strictモード (厳格な型チェック) を有効にするか


Reactを使用する場合は、JSXという特殊な構文をどう扱うかという設定も重要である。
JSXは、JavaScript内でHTMLのような記述ができる構文である。

 {
   // TypeScriptコンパイラのオプション設定
   // これらの設定により、TypeScriptがどのようにコードをJavaScriptに変換するかが決まる
   "compilerOptions": {
     // コンパイル対象となるJavaScriptのバージョンを指定
     // ES2020は2020年に標準化されたECMAScript仕様で、async/awaitやオプショナルチェイニングなどの機能が使える
     "target": "ES2020",
 
     // クラスフィールドの定義方法を新しい仕様(defineProperty)を使うように設定
     // これにより、クラスのプロパティがより予測可能な動作をする
     "useDefineForClassFields": true,
 
     // TypeScriptで使用できるライブラリの型定義を指定
     // ES2020: ES2020の標準ライブラリの型定義
     // DOM: ブラウザのDOM(document、windowなど)の型定義
     // DOM.Iterable: DOMの反復可能なオブジェクト(NodeListなど)の型定義
     "lib": ["ES2020", "DOM", "DOM.Iterable"],
 
     // モジュールシステムの形式を指定
     // ESNextは最新のECMAScriptモジュール仕様を使用することを意味する(import/export構文)
     "module": "ESNext",
 
     // node_modulesの型チェックをスキップして、ビルド速度を向上させる
     // サードパーティライブラリの型エラーを無視することで、開発効率を上げる
     "skipLibCheck": true,
 
     /* バンドラーモード関連の設定 */
     // ViteやWebpackなどのモダンなバンドラーツールと連携するための設定
 
     // モジュールの解決方法を「bundler」に設定
     // これにより、バンドラーが独自のモジュール解決ロジックを使うことを前提とした設定になる
     "moduleResolution": "bundler",
 
     // .ts拡張子を含むimport文を許可する
     // 通常、TypeScriptは拡張子なしでimportするが、バンドラーモードではこれが許可される
     "allowImportingTsExtensions": true,
 
     // JSONファイルをモジュールとしてimportできるようにする
     // import data from './data.json' のような書き方が可能になる
     "resolveJsonModule": true,
 
     // 各ファイルを独立したモジュールとして扱う
     // これにより、各ファイルが他のファイルに依存せずにコンパイルされ、Viteなどのツールと相性が良い
     "isolatedModules": true,
 
     // JavaScriptファイルを出力しない
     // Viteが独自にトランスパイルとバンドルを行うため、TypeScriptコンパイラはファイルを出力する必要がない
     "noEmit": true,
 
     // JSX(ReactのHTML風構文)を「react-jsx」形式で変換
     // React 17以降の新しいJSX変換方式を使用し、各ファイルで明示的にReactをimportする必要がなくなる
     "jsx": "react-jsx",
 
     /* コード品質チェック(Linting)関連の設定 */
     // これらの設定により、より厳格な型チェックと潜在的なバグの検出が行われる
 
     // strictモードを有効化
     // これにより、すべての厳格な型チェックオプションが一括で有効になる
     // (null安全性、暗黙のany型の禁止、thisの型チェックなど)
     "strict": true,
 
     // 使用されていないローカル変数がある場合にエラーを出す
     // コードの品質を保ち、不要な変数を削除するのに役立つ
     "noUnusedLocals": true,
 
     // 使用されていない関数のパラメータがある場合にエラーを出す
     // これにより、不要な引数を持つ関数を発見できる
     "noUnusedParameters": true,
 
     // switch文でcase句からbreak/returnなしで次のcase句に落ちる(fall through)場合にエラーを出す
     // 意図しないバグを防ぐための安全機能
     "noFallthroughCasesInSwitch": true
   },
 
   // TypeScriptコンパイラが処理対象とするディレクトリを指定
   // この場合、srcディレクトリ内のすべてのTypeScriptファイルが対象となる
   "include": ["src"],
 
   // プロジェクト参照を設定
   // tsconfig.node.jsonを参照することで、ビルドツール用の設定とアプリケーション用の設定を分離している
   // これにより、Node.js環境で実行されるコード(vite.config.tsなど)とブラウザで実行されるコードで
   // 異なるコンパイル設定を適用できる
   "references": [{ "path": "./tsconfig.node.json" }]
 }


tsconfig.node.json : ビルドツール用のTypeScript設定

ビルドツール (Vite等) の設定ファイルをTypeScriptで記述する時に使用する設定である。

tsconfig.json および tsconfig.node.json が2つに分割されている理由として、実行環境が違うからである。

tsconfig.jsonはWebViewで動作するための設定、tsconfig.node.jsonはNode.js環境で動作する (ビルドやバンドルの処理を行うツール) ための設定である。
WebView環境 と Node.js環境 では、使用できる機能や推奨される設定が異なるため、設定を分離して管理した方が効率的である。

例えば、vite.config.ts ファイルはNode.js環境で実行される設定ファイルである。
このファイルがTypeScriptで記述されているため、それをコンパイルするための設定がtsconfig.node.jsonに記述されている。

 {
   // このファイルは、Node.js環境で実行されるビルドツール用のTypeScript設定ファイルです
   // 具体的には、vite.config.tsなどの設定ファイルをコンパイルする際に使用されます
 
   "compilerOptions": {
     // compositeモードを有効化
     // これにより、プロジェクト参照(Project References)機能が使えるようになる
     // 大規模なプロジェクトで複数のtsconfig.jsonを連携させる際に必要な設定
     // メインのtsconfig.jsonから、このtsconfig.node.jsonを参照できるようになる
     "composite": true,
 
     // node_modulesの型チェックをスキップ
     // サードパーティライブラリの型定義ファイルをチェックしないことで、コンパイル速度を向上させる
     // 開発体験の改善に役立つ設定
     "skipLibCheck": true,
 
     // モジュールシステムの形式を指定
     // ESNextは最新のECMAScriptモジュール仕様(import/export)を使用する
     // Node.jsの最新バージョンではESモジュールがネイティブでサポートされている
     "module": "ESNext",
 
     // モジュールの解決方法を「bundler」モードに設定
     // Viteのようなモダンなバンドラーツールが使用する独自のモジュール解決ロジックに対応
     // これにより、バンドラーが期待する形式でモジュールが解決される
     "moduleResolution": "bundler",
 
     // デフォルトエクスポートを持たないモジュールからのデフォルトインポートを許可
     // 例えば、CommonJS形式で書かれたライブラリを、ES6のimport文でインポートできるようになる
     // import React from 'react' のような書き方が可能になる(Reactはデフォルトエクスポートを持たない)
     "allowSyntheticDefaultImports": true
   },
 
   // このTypeScript設定ファイルが対象とするファイルを指定
   // この設定では、vite.config.tsファイルのみが対象となる
   // つまり、このtsconfig.node.jsonは、Viteの設定ファイルをコンパイルするためだけに使われる
   // アプリケーションのソースコード(srcディレクトリ)は、メインのtsconfig.jsonで処理される
   "include": ["vite.config.ts"]
 }


vite.config.ts : Viteの設定ファイル

Viteというビルドツールの設定ファイルである。
Viteは、フロントエンド開発で人気のある開発サーバとビルドツールである。

このファイルには、以下に示す設定が記述されている。

  • 開発サーバをどのポートで起動するか
  • どのプラグインを使うか
  • ビルド時にどのような最適化を行うか


Tauri + Reactのプロジェクトでは、Reactを使用するためのプラグインやTauriとViteを連携させるための設定が含まれている。

Viteでは、開発中にソースコードを変更すると瞬時にアプリケーションに反映される ホットモジュールリプレースメント (HMR) という機能でがある。
これにより、ソースコードを変更するたびに変更した部分だけがリロードされるため、開発効率が大幅に向上する。

src/main.tsx : Reactアプリケーションの起動コード

Reactアプリケーションを実際に起動させるソースコードを記述する。

ReactDOMライブラリを使用して、Appコンポーネントをindex.htmlのroot要素にマウント (描画) している。
このファイルが実行されることにより、Reactアプリケーションが動作する。

また、このファイルでは、アプリケーション全体に影響する初期設定やグローバルなスタイルシートのインポートも行われることがある。
アプリケーションが起動する直後に実行したい処理がある場合は、このファイルに記述する。

 // このファイルの役割:
 // 1. index.htmlのroot要素を特定する
 // 2. その要素をReactアプリケーションのコンテナとして設定する
 // 3. Appコンポーネントをレンダリング (描画) する
 // 4. 開発時の品質チェック (StrictMode) を有効化する
 //
 // このファイルはアプリケーション全体のエントリーポイントであり、
 // index.htmlから<script>タグで読み込まれることで、Reactアプリケーションが起動する
 
 // Reactライブラリの本体をインポート
 // Reactは、UIを構築するためのコアライブラリ
 // このインポートにより、JSX構文やReactの基本機能が使えるようになる
 import React from "react";
 
 // ReactDOMのクライアントサイド機能をインポート
 // ReactDOM/clientは、Reactコンポーネントを実際のHTML DOM要素に変換し、Webブラウザの画面に描画するための機能を提供する
 // "react-dom/client"は、React 18以降で導入された新しいAPIで、以前の"react-dom"より高速かつ柔軟なレンダリングが可能になっている
 import ReactDOM from "react-dom/client";
 
 // アプリケーションのメインコンポーネント (App) をインポート
 // このコンポーネントが、アプリケーション全体の構造と機能を定義している
 // "./App"という相対パスは、同じディレクトリ (src) 内のApp.tsxファイルを指す
 // .tsxや.jsxの拡張子は、インポート時に省略できる
 import App from "./App";
 
 // ReactDOMのcreateRootメソッドを使って、Reactアプリケーションのルート (起点) を作成
 // この処理は、Reactアプリケーションを起動するための最も重要なステップ
 //
 // document.getElementById("root"):
 //   - index.html内の<div id="root"></div>要素を取得
 //   - この要素が、Reactアプリケーション全体を表示するコンテナとなる
 //   - 全てのReactコンポーネントは、最終的にこの要素の中に描画される
 //
 // as HTMLElement:
 //   - TypeScriptの型アサーション (型の明示的な指定)
 //   - getElementById()はHTMLElement | nullを返す可能性があるが、
 //     ここでは確実にHTMLElementが存在することを開発者が保証している
 //   - もし要素が見つからない場合、実行時エラーが発生するので注意が必要
 //
 // createRoot():
 //   - React 18で導入された新しいAPIで、アプリケーションのルートを作成
 //   - この関数が返すルートオブジェクトを使って、Reactコンポーネントを描画する
 //   - 以前のReactDOM.render()と比べて、並行レンダリングなどの新機能が使える
 ReactDOM.createRoot(document.getElementById("root") as HTMLElement).render(
   // React.StrictModeコンポーネントでアプリケーション全体を包む
   // StrictModeは、開発時にのみ動作する特殊なコンポーネントで、以下の機能を提供する:
   //
   // 1. 潜在的な問題の検出:
   //    - 非推奨のライフサイクルメソッドの使用を警告
   //    - レガシーなAPI (findDOMNode等) の使用を警告
   //    - 予期しない副作用 (side effects) を検出
   //
   // 2. 2重レンダリング:
   //    - コンポーネントを意図的に2回レンダリングすることで、
   //      副作用の問題を早期に発見できる
   //    - 本番環境では、この2重レンダリングは行われない
   //
   // 3. より良いコードの習慣を促す:
   //    - 将来のReactのバージョンに対応しやすいコードを書くことを推奨
   //
   // StrictModeは画面に何も描画せず、子コンポーネントのチェックのみを行う
   // 開発環境でのみ動作し、本番ビルドでは完全に無効化されるため、パフォーマンスへの影響はない
   <React.StrictMode>
     {/* Appコンポーネントを描画 */}
     {/* このコンポーネントが、アプリケーションの実際の内容を表示する */}
     {/* App.tsxで定義されたすべてのUI要素が、ここから展開される */}
     <App />
   </React.StrictMode>,
 );


src/App.tsx : メインのReactコンポーネント

アプリケーションのメインとなるReactコンポーネントである。
コンポーネントはReactにおける部品のようなもので、画面の一部分や機能をまとめたものである。

Appコンポーネントは、最上位のコンポーネントであり、アプリケーション全体の構造を定義する。

このファイルでは、function App() のような関数定義があり、その中でJSXを使用して画面の構造が記述されている。
初期状態では、Tauriのロゴや簡単なカウンタのボタン等が含まれている。(動作確認のためのサンプルコード)

実際の開発では、App.tsxファイルに全てを記述するのではなく、機能ごとに複数のコンポーネントを作成して、それらをApp.tsxで組み合わせる。
例えば、ヘッダコンポーネント、サイドバーコンポーネント、メインコンテンツコンポーネント等を別々に作成して、Appコンポーネントでそれらを配置する。

src/App.css : Appコンポーネントのスタイル

App.tsxコンポーネントの見た目を定義するCSSファイルである。

App.tsxファイルでは、App.cssをインポートしている。

Reactでは、コンポーネントごとにスタイルシートを分離して管理することが一般的である。
"このスタイルはどのコンポーネントで使われているのか" が明確になり、保守性が上がる。

また、TailwindCSSのようなCSSフレームワークを使用する場合は、このファイルの役割が変わることもある。

src/vite-env.d.ts : Viteの型定義ファイル

TypeScriptの型定義ファイルである。
ファイル名の末尾にある「.d.ts」というのは、declaration type scriptの略で、型の宣言のみを記述するファイル という意味である。

Viteが提供する型定義を参照する指示が記述されている。
これにより、Vite特有の機能、環境変数の読み込み、モジュールのインポート等に使用する時に、TypeScriptのエディタ上で補完および型チェックができる。

このファイルは、基本的に編集する必要はない。プロジェクト作成時に自動生成され、そのまま使用し続けるものである。
ただし、Vite以外の特殊な型定義を追加する場合は、このファイルを編集することもある。


IDE

IDEA Ultimate

IDEA Ultimateでは、プロジェクトのルートディレクトリを開く。

Tauriプロジェクトは、2つの異なるプロジェクトを組み合わせた構造である。
2つを統合的に管理するための設定ファイルや情報が、全てルートディレクトリに存在する。

  • Reactを使用したフロントエンドのプロジェクト
  • Rustで記述したバックエンドのプロジェクト


ルートディレクトリには、package.jsonというNode.jsプロジェクトの設定ファイルが存在する。
IDEA Ultimateはこれらのファイルを発見した時、Node.jsのプロジェクトと理解して適切なJavaScriptやReactの開発サポート機能を有効にする。
同時に、src-tauriディレクトリの中にあるCargo.toml (Rustプロジェクトの設定ファイル) も認識して、Rustのソースコードサポートも提供する。

ルートディレクトリを開く時、IDEA Ultimateは次のように動作する。

  1. まず、プロジェクトを開いた直後、IDEA Ultimateは自動的に依存関係を解析する。
  2. 解析が完了した後、srcディレクトリ内のReactコンポーネントを編集する場合は、Reactの関数やフックの補完が利用できるようになる。
  3. 同様に、src-tauriディレクトリのRustコードを編集する場合は、Rustの型情報や関数の補完が利用できるようになる。


IDEA UltimateのみでRust開発を行う場合は、Rustプラグイン (Rust) のインストールが必要である。
プラグインのインストール手順は、以下の通りである。

  1. [ファイル]メインメニュー - [設定]を選択する。
  2. 左側のメニューから[Plugins]を選択する。
  3. 上部の検索バーに Rust と入力する。
  4. 検索結果に表示されるRustプラグインをインストールする。
  5. インストール後、IDEを再起動する。


Rustプラグインをインストールすると、以下に示す機能が利用可能になる。

  • シンタックスハイライト
  • コード補完機能
  • Cargoコマンドの統合により、IDE内から直接ビルドや実行が可能になる。


任意でTauriプラグインもインストール可能である。
このプラグインは、Tauriのコマンド定義やコンフィグファイルの編集をサポートする。

RustRover

RustRoverでは、プロジェクトのルートディレクトリを開く。

RustRoverは、JetBrainsが提供するRust専用の統合開発環境である。
IDEA Ultimateと同じJetBrainsファミリーの製品だが、Rustに特化して設計されている。

ルートディレクトリを開くと、RustRoverはsrc-tauriディレクトリ内のCargo.tomlを発見し、そのディレクトリをRustプロジェクトの中心として認識する。

Rustのソースコードに対しては、IDEA Ultimateよりもさらに高度な解析機能が提供される。
マクロの展開結果の表示、詳細な型推論、Cargoコマンドの統合実行環境等、Rust開発に特化した機能が豊富に用意されている。

RustRoverはReactやTypeScriptのサポートについては、IDEA Ultimateほど充実しておらず、
基本的なJavaScriptやTypeScriptの編集はできるが、Reactコンポーネントの補完やリファクタリング機能等は限定的である。

実務では、以下に示すような使い分けが推奨される。
フロントエンドとバックエンドの両方を頻繁に行き来する場合は、IDEA Ultimateを使用する。
これは、1つのIDEウィンドウで両方のコードを快適に編集できるためである。
しかし、Rustのソースコードを記述する時間が長い場合や複雑なRustのソースコードを扱う場合は、RustRoverを使用する。