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== 概要 == | == 概要 == | ||
Amazon S3 (Simple Storage Service) は、AWSが提供するオブジェクトストレージサービスである。<br> | |||
インターネット経由でデータの保存と取得が可能であり、スケーラビリティ、可用性、セキュリティ、パフォーマンスに優れている。<br> | |||
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S3では、データは「オブジェクト」として保存され、各オブジェクトは「バケット」と呼ばれるコンテナ内に格納される。<br> | |||
オブジェクトは、ファイル本体とそのメタデータで構成され、一意の「キー」 (ファイル名やパス) により識別される。<br> | |||
バケット名はグローバルに一意である必要がある。<br> | |||
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主な特徴として、事実上無制限のストレージ容量、高い耐久性 (99.999999999[%])、複数のストレージクラスによるコスト最適化、バージョニング機能、アクセス制御、暗号化等がある。<br> | |||
静的Webサイトのホスティング、バックアップとアーカイブ、ビッグデータ分析、アプリケーションデータの保存等、幅広い用途で利用されている。<br> | |||
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S3へのアクセスは、AWSマネジメントコンソール、AWS CLI、AWS SDKを通じて行うことができ、RESTful APIを介してプログラムから操作することが可能である。<br> | |||
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== S3へのダウンロード == | == S3へのダウンロード == | ||
S3バケットからファイルをストリーム経由でダウンロードするフローを以下に示す。<br> | |||
# ClientConfigurationの作成 | |||
#: AWS SDKのクライアント設定オブジェクトを生成する。 | |||
# リージョンの設定 | |||
#: 指定されたAWSリージョンを設定する。 | |||
# S3クライアントの生成 | |||
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==== S3クライアントの初期化 ==== | |||
指定されたリージョンでS3クライアントを初期化する。<br> | |||
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<syntaxhighlight lang="c++"> | |||
QString region = "<リージョン名>" | |||
Aws::Client::ClientConfiguration clientConfig; | |||
clientConfig.region = region.toStdString(); | |||
auto s3Client = std::make_unique<Aws::S3::S3Client>(clientConfig); | |||
</syntaxhighlight> | |||
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==== アップロードフロー ==== | |||
* bucketName | |||
*: ダウンロード元のS3バケット名 | |||
* objectKey | |||
*: S3上でのオブジェクトキー (パス) | |||
* filePath | |||
*: ダウンロード先のローカルファイルパス | |||
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<syntaxhighlight lang="c++"> | |||
// 1. GetObjectRequestの設定 | |||
Aws::S3::Model::GetObjectRequest request; | |||
request.SetBucket(bucketName.toStdString()); | |||
request.SetKey(objectKey.toStdString()); | |||
// 2. ダウンロード実行 | |||
auto outcome = m_s3Client->GetObject(request); | |||
// 3. 成功時の処理 | |||
if (outcome.IsSuccess()) { | |||
// ストリームの取得 | |||
// GetResultWithOwnership : 結果オブジェクトの所有権を取得 | |||
auto& retrieved_file = outcome.GetResultWithOwnership().GetBody(); // ダウンロードしたデータのストリームを取得 | |||
// ローカルファイルへの書き込み | |||
std::ofstream output_file(filePath.toStdString(), std::ios::binary); // ファイル書き込み時もバイナリモードを使用 | |||
output_file << retrieved_file.rdbuf(); // ストリームバッファを直接ファイルに書き込み | |||
output_file.close(); | |||
} | |||
</syntaxhighlight> | |||
<br><br> | <br><br> | ||
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全ての設定 (リージョン、バケット名、オブジェクトキー) を任意の設定ファイルから読み込んでいる。<br> | 全ての設定 (リージョン、バケット名、オブジェクトキー) を任意の設定ファイルから読み込んでいる。<br> | ||
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<syntaxhighlight lang=" | <syntaxhighlight lang="ini"> | ||
# config.iniファイル | # config.iniファイル | ||