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規格 - 浮動小数点数
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== 概要 == 浮動小数点数とは、実数の表現方法の1つであり、2進数の有限桁数で表された数値である。(対義語は、固定小数点数)<br> 小数点の位置を変えて表現するため、浮動(動く)の小数点と呼ばれる。<br> <br> 固定小数点数は、小数点の位置を固定して表現される。<br> <br> 以下に、浮動小数点数の例を示す。<br> 1.5<sub>(10)</sub> = 1.1<sub>(2)</sub> 3.25<sub>(10)</sub> = 11.01<sub>(2)</sub> <br>> 理論的には小数が無限に続く値でも、その内の有限個の桁数でその値を表す。<br> 例えば、0.1を浮動小数点数で表すと、0.1<sub>(10)</sub> = 0.000110011001100110011...<sub>(2)</sub>と無限に続くが、コンピュータ内部では有限桁で丸められるため、<br> 真値ではなく、近似値で表現することになる。<br> <br><br> == 浮動小数点数の構造 == ==== 単精度浮動小数点数(float型) ==== 単精度浮動小数点数(float型)は、4バイトのサイズを持ち、符号部(1bit)、指数部(8bit)、仮数部(23bit)で表す。<br> <br> 指数部は、-127のバイアスが掛かる。<br> 仮数部は、仮数の小数点以下を表す。すなわち、仮数は仮数部の先頭に1(ケチ表現)を付加したものとなる。<br> 単精度浮動小数点数(float型)の表す値 = (-1)<sup>符号部</sup> × 2<sup>(指数部 - 127)</sup> × 1.仮数部 <br> 単精度浮動小数点数(float型)の精度(有効桁数)は、2進数では24(=23 + 1)桁、10進数では約7桁となる。<br> 指数部も有限であるため、単精度浮動小数点数(float型)で表すことのできる実数の絶対値は、以下の範囲に限られる。<br> <math>1.175494 \times 10^{-38} < x < 3.402823 \times 10^{38}</math><br> <br> C言語において、単精度浮動小数点数の下限値および上限値は、float.hファイルの<code>FLT_MIN</code>および<code>FLT_MAX</code>というマクロで定義されている。<br> <syntaxhighlight lang="c"> #include <stdio.h> #include <float.h> int main() { printf("FLT_MIN = %e, FLT_MAX =%e\n", FLT_MIN, FLT_MAX); return 0; } </syntaxhighlight> <br> ==== 倍精度浮動小数点数(double型) ==== 倍精度浮動小数点数(double型)は、単精度浮動小数点数(float型)に比べて、倍の精度(8byte)を持ち、符号部(1bit)、指数部(11bit)、仮数部(52bit)で表す。<br> <br> 指数部は、-1023のバイアスが掛かる。<br> 仮数部は、仮数の小数点以下を表す。すなわち、仮数は仮数部の先頭に1(ケチ表現) を付加したものとなる。<br> 倍精度浮動小数点数(double型)の表す値 = (-1)<sup>符号部</sup> × 2<sup>(指数部 - 1023)</sup> × 1.仮数部 <br> 倍精度浮動小数点数(double型)の精度(有効桁数)は、2進数では53(=52 + 1)桁、10進数では約15桁となる。<br> <br> 指数部も有限であるため、倍精度浮動小数点数(double型)で表すことができる実数の絶対値は、以下の範囲に限られる。<br> <math>2.225074 \times 10^{-308} < x < 1.797693 \times 10^{308}</math><br> <br> C言語において、単精度浮動小数点数の下限値および上限値は、float.hファイルの<code>DBL_MIN</code>および<code>DBL_MAX</code>というマクロで定義されている。<br> <syntaxhighlight lang="c"> #include <stdio.h> #include <float.h> int main() { printf("DBL_MIN = %e, DBL_MAX =%e\n", DBL_MIN, DBL_MAX); return 0; } </syntaxhighlight> <br> 現在のコンピュータでは、float型よりもdouble型を使用することが多い。<br> その理由として、以下が挙げられる。<br> * 精度が良い。 * 計算速度が速い。 <br> 計算速度が速い理由は、現在のコンピュータには、double型のデータを扱う専用回路が存在するからである。<br> float型の計算を行う場合、double型に変換した後、double型の専用回路で計算して、再度float型に変換するため、float型の方が計算時間が多く掛かる。<br> <br><br> == 浮動小数点数の誤差 == ==== 丸め誤差 ==== 仮数部が循環小数となる場合、仮数(の桁)が有限になるため、特定の桁数で四捨五入・切り捨て等を行うことにより発生する誤差である。<br> <u>10進数を2進数に変換する時に、発生する誤差のことである。</u><br> <br> ==== 桁落ち ==== 桁数が決まっている浮動小数点数において、絶対値がほぼ等しい数値を減算した時に、実際の数値と比べて著しく桁数が減る誤差のことである。<br> (桁が落ちるのは、基本的に少数以下の部分である)<br> <br> 絶対値がほぼ等しい値同士を減算する場合、その差異は非常に小さな値となる。<br> 浮動小数点数では桁数が決まっているため、非常に小さい値は切り捨てられる場合が多い。<br> この値を正規化する時、非常に小さい値は切り捨てられているため、0となり、実際の数値より小数点以下の桁数が大きく減ってしまう。<br> <br> 例.<br> 以下のような絶対値のほぼ等しい値があるとする。<br> A = 1.1111111123334455667788<br> B = 1.111111111111111111111122<br> <br> A - Bを行った後、正規化する。<br> 1.2223344556666×10<sup>-7</sup> (1)<br> <br> 上記を、有効桁数10桁の浮動小数点数で計算する。<br> a = 1.111111123<br> b = 1.111111111<br> <br> a - bを行った後、正規化する。<br> 1.200000000×10<sup>-7</sup> (2)<br> <br> 上記の(1)を有効桁数10桁に変換する。<br> (2)は(1)と比べて桁数が減少して、ほぼ等しい値にも関わらず、大きな誤差が生じていることが分かる。<br> 1.222334455×10<sup>-7</sup> … (1)<br> 1.200000000×10<sup>-7</sup> … (2)<br> <br> ==== 情報落ち ==== 絶対値の差が非常に大きい2つの値の加減算を行う場合、小さい値が無視される誤差のことである。<br> 桁数の決まっている浮動小数点数の計算において発生する誤差である。<br> <br> 浮動小数点数の加減算は、指数部を大きい方に揃えてから仮数部同士の計算をするため、値の差が大きいと小さい値は指数を大きくするために仮数部が0になるからである。<br> <br> ==== 打ち切り誤差 ==== 無限小数等の値に対して、ある程度の時点で処理を打ち切ることで発生する誤差のことである。<br> <br> 丸め誤差との違いを以下に示す。<br> * 丸め誤差 *: 10進数から2進数に変換する場合等に、特定の桁数で四捨五入や切り捨て等を行うことで生じる誤差。 * 打ち切り誤差 *: 円周率等の無限小数が続く計算を途中で止めることで生じる誤差。 <br><br> __FORCETOC__ [[カテゴリ:C]][[カテゴリ:C++]][[カテゴリ:MFC]][[カテゴリ:Qt]][[カテゴリ:C_Sharp]]
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